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「本懐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本懐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
一人仇打ちの途《と》に上《のぼ》った。父の伝三の打たれた年からやっと二十三年目に本懐《ほんかい》を遂げようとするのである。 伝吉の倉井村へはいったのは戌《いぬ....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《したた》めてあった。「私儀《わたくしぎ》柔弱《にゅうじゃく》多病につき、敵打の本懐も遂げ難きやに存ぜられ候間《そうろうあいだ》……」――これがその仔細の全部で....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。 われら斃れた後に、日本亡ぶか、興るか、その何れかに決まるであろうが、興れば本懐この上なし、たとえ亡ぶともわが日本民族の紀元二千六百五年の潔ぎよき最期は後世....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
のです。 女の身として、優しいもの、媚あるもの、従うものに慕われて、それが何の本懐です。私は鱗をもって、角をもって、爪をもって愛するんだ。……鎧は脱ぐまい、と....
怪塔王」より 著者:海野十三
に小浜兵曹長の運命もおわるかとおもわれました。 「敵陣に自爆するのなら帝国軍人の本懐であるが、あれ狂う海中につっこんで、死んで何になるのだ。よし、俺はどうしても....
太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
大の機会です。祖国をねらう憎むべき×の強力艦隊と一戦を交えることは帝国軍人の最も本懐とするところです。さア行こう光栄ある戦場へ! 皇国の存亡の懸けられたる太平洋へ!....
古狢」より 著者:泉鏡花
夜にすかすごとく、お町の唇をビイルで撓めて、飲むほどに、蓮池のむかしを訪う身には本懐とも言えるであろう。根を掘上げたばかりと思う、見事な蓮根が柵の内外、浄土の逆....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
。が、もう叶わぬ、臨終という時、 (われは僧なり、身を殺して仁をなし得れば無上の本懐、君その素志を他に求めて、疾くこの恐しき魔所を遁れられよ。) と遺言する。....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
と先生はうつむいたままで、 (再び、御機嫌のお顔を拝することを得まして、私一代の本懐です。生れつきの口不調法が、かく眼前に、貴方のお姿に対しましては、何も申上げ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
だのと、符帳でものを食うような、そんなのも決して無い。 梅水は、以前築地一流の本懐石、江戸前の料理人が庖丁を※る。 この梅水のお誓は、内の子、娘分であるとい....
星女郎」より 著者:泉鏡花
なさるよう。」 三造は猶予いつつ、 「しかし、御重宝、」 「いや、御役に立てば本懐であります。」 すなわち取って、帽子をはずして、襟にかける、と先達の手に鐸....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
車場へ駈つけて、一いきに東京へ遁げかえる覚悟をして言った。 「御新姐の似顔ならば本懐です。」―― 十二月半ばである。日短かな暮方に、寒い縁側の戸を引いて――震....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
お優さんの骨――ばかりでなく、霊に添って、奥の庵を畠に、瓜を造っているのだろう。本懐であろう。 蛙の唄をききながら、その化けた不良性らしい彼の女等を眷属にして....
越年」より 著者:岡本かの子
そうに笑いながら、社員を押し分けて自分が加奈江の卓に近寄り「よく貫徹したね、仇討本懐じゃ」と祝った。 加奈江は一同に盛んに賞讃されたけれど、堂島を叩き返したあ....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
京橋、日本橋、浅草はまさに東京のヘソであり、日本の中心である。私はこれこそ男子の本懐と考え、本気になって闘い抜いた。その結果、安藤、田川の両強豪をおさえて、頼母....