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本来無一物
「本来無一物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本来無一物の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野狐」より 著者:田中英光
、ただ泥棒に見舞われたという話なので私は安心する。私はこと財産に関しては、昔から
本来無一物、何レノ処ニカ塵埃ヲ惹カン、といった暢気な気持なのだ。 それで落着い....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
仁三郎は、その日常の生活が悉くノベツ幕なしの二輪加の連鎖であった。浮世三分五厘、
本来無一物の洒々落々を到る処に脱胎、現前しつつ、文字通りに行きなりバッタリの一生....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
物になつた。そして夏から秋まで、友だちの厄介になつたりしながらぶらぶらしていた。
本来無一物という声がそのころはいつも耳の側で聞えていた。本一冊、銭一銭、もはや自....
「お茶の湯満腹談」より 著者:夢野久作
来たら一代の名誉になろうと言う。そこへ金と言い、お茶の湯と言い、全然|嗜みのない
本来無一物が、偶然中の偶然とも言うべき機会から、何も知らずに参室したのだから、一....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
皆《しっかい》海に流れて心身に付したるものとてはなに一物もあることなく、いわゆる
本来無一物にて、その愚はまさしく前日に異なることなかりしという話あり。 今の洋....
「成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ」より 著者:福沢諭吉
ば、商売に儲けたるに非ず、月給に貰うたるに非ず、いわんや祖先の遺産においてをや。
本来無一物の一書生が、一本の筆の先きにてかき集めたる財産なり。これまた偶然の僥倖....