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本省
「本省〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本省の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
入されるのだろうと疑った。彼は自分を東京へ呼んでくれた杉原が、今もなお課長として
本省にいないのを遺憾《いかん》とした。彼は東京へ移ってから不思議とまだ病気をした....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
しまったという事件が起き上った。ここで問題は俄然表沙汰になり、とうとう汐巻灯台へ
本省からのきびしい注意があたえられた。 ところがこの灯台は逓信省灯台局直轄の三....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
いいし人格もあるし、それになかなか機智に富んだ敏腕家でして、いまではもう出世して
本省の監督局におさまっていられますが、この人が当時の部下であるこの機関庫係員を連....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
管下にあったが、水無神社は県社ともちがい、国幣小社の社格のある関係からも、一切は
本省の指令を待たねばならなかった。一方にはまた、かく東京滞在の日も長引き、費用も....
「「推理小説」」より 著者:宮本百合子
りに苦しむ」という記事は、下山氏の人間ぽさを、わたしたちに感じさせた。まして国鉄
本省にあらわれた下山氏がとりみだしていたという姿は、一日に千余通送られていた人民....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
の神経を持たないが、猫はちゃんと持っているのである。 松の木の枝を実物よりも五
本省略して描いても松は松であるけれども、人間の指が一本不足しても、人は怪しむ、人....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
末な板の卓が並べられて、椅子も粗末な籐椅子であった。そうしてその三方の縁側には、
本省の官吏や府県の随行員や新聞記者が数多並んで、これも籐椅子に腰をかけていた、陛....
「白蛾」より 著者:豊島与志雄
住居から谷一つ距てた高台の向う裾を走る省線電車まで、徒歩で約二十分ばかりの距離を、三十分ほどもかけてゆっくりと、岸
本省平は毎日歩きました。それは通勤の往復というよりは、散歩に似ていました。道筋も....
「書記官」より 著者:川上眉山
をしている仲であって見れば、すでに明日か二三日うちに願書が出来て、商会からこれを
本省へ差し出す日には、途中におって邪魔をする好分別がさらにないので、よっては事の....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
日本の学問を分離せしめんことを祈る者なり。すなわち文部省及び工部省直轄の学校を、
本省より離別することなり。そもそも維新の初には百事|皆《みな》創業にかかり、これ....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
眼で視られた丈で、一言の不平も、一片の希望も聴き取れずに引き上げた、而《そ》して
本省への報告に、 「世間伝うる如き、所謂《いわゆる》監獄部屋の虐待惨酷は、精査の....
「殺人迷路」より 著者:浜尾四郎
しまれて前科のばれた例、本名のばれた例がいくらもあるぜ。実は今、あの指紋をもって
本省に行かせたのさ、十分か十五分の間にもう一度あれを調べてもって来る。前科の欄と....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
した幼時の思い出の数々を私は持っています。が、村の小学校の四年生の時、父が東京の
本省へ転勤になったために、この草深い田舎の生活を棄てて私は東京へ出て来ました。そ....
「武鑑譜」より 著者:服部之総
と目次風に披露しただけではピンとこないだろう。 だが、たとえば陸軍省の調べでは
本省から憲兵隊から参謀本部監軍部はもとより、近衛《このえ》、第一ないし第六師団の....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
が必ずあると思いますね。例えば外交上の失敗だとか、秘密書類をどうかしたとか、また
本省の意見なり命令なりに無理がある場合、それを承知で横車を押さなければならない場....