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「本職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本職の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
た。彼の英吉利《イギリス》語を教えていることは前にも書いた通りである。が、それは本職ではない。少くとも本職とは信じていない。彼はとにかく創作を一生の事業と思って....
」より 著者:芥川竜之介
たがるた》も巧《うま》い、薩摩琵琶《さつまびわ》も出来ると云う才人だから、どれが本職でどれが道楽だか、鑑定の出来るものは一人もいない。従ってまた人物も、顔は役者....
路上」より 著者:芥川竜之介
間なんだ。その隣のボヘミアン・ネクタイも、これまた詩よりも女中に手をつけるのが、本職でね。」 俊助はこんな醜い内幕《うちまく》に興味を持つべく、余りに所謂《....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
はあれは――あの人は何《なん》なのです。」 「あれですか。あれは僕の友人ですよ。本職は医者で、傍《かたわら》南画を描《か》く男ですが。」 「西郷隆盛ではないので....
婦系図」より 著者:泉鏡花
財産は先刻も謂った通り、一人一人に用意がしてある。病気なり、何なりは、父様も兄も本職だから注意が届くよ。その他は万事母様が預かって躾けるんだ。 好嫌は別として....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
「疑うのが職業だって、そんな、お前、狐の性じゃあるまいし、第一、僕はそのね、何も本職というわけじゃないんだよ。」 となぜか弱い音を吹いた……差向いをずり下って....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
い。 ――村に猟夫が居る。猟夫といっても、南部の猪や、信州の熊に対するような、本職の、またぎ、おやじの雄ではない。のらくらものの隙稼ぎに鑑札だけは受けているの....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
はこの俺に訊くまでもなく、自分で覗いて見たらよいであろう。現界の方はそなたの方が本職じゃ……。』 お爺さんはそんなことを言って、まじめに取合ってくださいません....
滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
。が、未だに門内か庭かに何か白い草花の沢山咲いていたのを覚えている。 滝田君は本職の文芸の外にも書画や骨董を愛していた。僕は今人の作品の外にも、椿岳や雲坪の出....
錦紗」より 著者:犬田卯
というのは渡りもので、十年ばかり前にこの村へ落ちつき、籠屋渡世をしているのだが、本職の方よりは、家の方位を見てくれとか、子供が長病いをしているが何かの崇りではあ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
台所口から藪について出て行くんです。 座敷では、じゃかじゃかじゃん……ここらは本職だわね。」 と、軽い撥を真似て、白い指を弾いた。 「頭の顱じゃあないけれど....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
大抵文雅風流を衒って下手な発句の一つも捻くり拙い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった。その中で左に右く画家として門戸を張るだけの技倆がありな....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
。ゆえに、日本国をして欧米同等の文明国となさんと欲せば、まず人を教導するをもって本職とする僧侶を教育せざるべからず。もし人ありて、わが国の僧侶はともに談ずるに足....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、ドクトル・オブ・フィジックスと解し、日本の物理博士と申した者もある。船客中には本職の医者が一人いたが、その姓をペーン(Pain)と称しておる。船中の評に、一切....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
お茶屋さんは、えらいですよ。』 漁『そう当っては、素人釣とは言われないね。立派な本職だ。』 船『本職が何時も敵はないんですもの。』 お茶屋主人の好く釣ること、....