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「本読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

本読の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ていさいでした。なかにはおおぜいの人間が、船乗や、コペンハーゲンの町人や二三人の本読もまじって、みんなビールのジョッキをひかえて、むちゅうになってしゃべっていて....
外科室」より 著者:泉鏡花
「そこでお召し物はなんと踏んだ」 「藤色と踏んだよ」 「え、藤色とばかりじゃ、本読みが納まらねえぜ。足下《そこ》のようでもないじゃないか」 「眩《まばゆ》くっ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
私塾に通っていたので、虎公が杉浦を連れて来たのだった。谷は僕よりも一年下だった。本読みの僕はいつもみんなの牛耳をとっていた。僕は友人のほとんど誰よりも早くから『....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
好いなどの台詞《せりふ》あり、二人はぶらぶらと上手へゆきかかる――。 ここまで本読みをすれば、誰でも登場人物を想像するであろう。老人は例の半七老人で、青年はわ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
係があるのか無いのか、役人たちもその判断に苦しんだ。 「どうだ、半七。あらましの本読みはこの通りだが、これだけじゃあ芝居も幕にならねえ。なんとか工夫して、めでた....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
を申付けられるような事もなくて済んだ。それから桜痴居士は自作の脚本「向井将監」の本読みをすることになったが、その頃になって歌舞伎座の仕切場に出ている甲子屋萬蔵と....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
うな素振りや応待は、露ほども見せませんでした。 ある日、ジイドの「サユウル」の本読みがあり、配役の発表がありました。 こういう時、ほかの俳優たちは、いくぶん....
近況」より 著者:岸田国士
ストは神西清君の新訳によるが、これが今、出来ただけ私の手許に届けられ、二十一日の本読みまでに間に合う手はずがついている、と、私は信じながら、それぞれの人物にふさ....
おせん」より 著者:邦枝完二
助さんが書きおろすという。もとよりそれには、連れ添う身の異存のあろうはずもなく、本読みも済んで、愈稽古にかかった四五|日は、寝る間をつめても、次の間に控えて、茶....
春泥」より 著者:久保田万太郎
そのころである。市村座で『闇黒世界』という西洋|種の新狂言をやることになった。「本読」を聞くと、その中に、主人公の催眠術師が一人の男をその術にかけ、自由自在にそ....
思い出の記」より 著者:小泉節子
『ですから外に参り、よき物見る、と聞く、と帰るの時、少し私に話し下され。ただ家に本読むばかり、いけません』 その書く物は、非常な熱心で進みまして、少しでも、そ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
め》に降る池の水草《みずくさ》を眺めたる、あるひは炬燵《こたつ》にうづくまりて絵本読みふけりたる、あるひは帯しどけなき襦袢《じゅばん》の襟《えり》を開きて円《ま....
市川九女八」より 著者:長谷川時雨
げまく》へ入る―― 蚊のなくように、何時《いつ》、どこで、なんの役でかの、狂言本読みの、立《たて》作者が読んできかす、ある役の引っこみの個処《ところ》が、頭の....
だいこん」より 著者:久生十蘭
長謙さんは本をはなすと、びっくりした子供のような顔をした。 「いまになってそんな本読むなんて、そんなシニスム、下等だわ」 なにが問題になっているのだろうと思っ....
」より 著者:正岡子規
主町という淋しい町があってそこに浅井先生という漢学の先生があった。その先生の処へ本読みに行く一人の子供の十余りなるがあったが、いつでもその家を出がけにそこの中庭....