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本読み
「本読み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本読みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
「そこでお召し物はなんと踏んだ」 「藤色と踏んだよ」 「え、藤色とばかりじゃ、
本読みが納まらねえぜ。足下《そこ》のようでもないじゃないか」 「眩《まばゆ》くっ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
好いなどの台詞《せりふ》あり、二人はぶらぶらと上手へゆきかかる――。 ここまで
本読みをすれば、誰でも登場人物を想像するであろう。老人は例の半七老人で、青年はわ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
係があるのか無いのか、役人たちもその判断に苦しんだ。 「どうだ、半七。あらましの
本読みはこの通りだが、これだけじゃあ芝居も幕にならねえ。なんとか工夫して、めでた....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
私塾に通っていたので、虎公が杉浦を連れて来たのだった。谷は僕よりも一年下だった。
本読みの僕はいつもみんなの牛耳をとっていた。僕は友人のほとんど誰よりも早くから『....
「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
うというのではない。七つ八つの子供から七十近い爺さん婆さんまで、 「そろそろまた
本読みさ行くか」 と、やって来る人々に向って、いつも一人の人間、つるの曲った眼鏡....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
イはきかされた。朗読がすすむにつれ暗闇の中で、 「愚論!」 と吼える者がある。「
本読みは退屈な程長くつづく。」ゴーリキイは聴き草臥《くたび》れる。それにもかかわ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ころに或不自然があると思います。そんなことを書こうと思います。
それを書いたら
本読み。もう少々で第一巻終り。分業というようなことでも大ざっぱに考えているだけで....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
うな素振りや応待は、露ほども見せませんでした。 ある日、ジイドの「サユウル」の
本読みがあり、配役の発表がありました。 こういう時、ほかの俳優たちは、いくぶん....
「近況」より 著者:岸田国士
ストは神西清君の新訳によるが、これが今、出来ただけ私の手許に届けられ、二十一日の
本読みまでに間に合う手はずがついている、と、私は信じながら、それぞれの人物にふさ....
「市川九女八」より 著者:長谷川時雨
げまく》へ入る―― 蚊のなくように、何時《いつ》、どこで、なんの役でかの、狂言
本読みの、立《たて》作者が読んできかす、ある役の引っこみの個処《ところ》が、頭の....
「読書遍歴」より 著者:三木清
う。私たちは一週一回、寮の夕食がすむと、小石川の塩谷先生のお宅まで歩いて行った。
本読みがすむと、いつも焼芋が出て雑談になったのを覚えている。あの頃から倉石君は実....
「おせん」より 著者:邦枝完二
助さんが書きおろすという。もとよりそれには、連れ添う身の異存のあろうはずもなく、
本読みも済んで、愈稽古にかかった四五|日は、寝る間をつめても、次の間に控えて、茶....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
を申付けられるような事もなくて済んだ。それから桜痴居士は自作の脚本「向井将監」の
本読みをすることになったが、その頃になって歌舞伎座の仕切場に出ている甲子屋萬蔵と....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
め》に降る池の水草《みずくさ》を眺めたる、あるひは炬燵《こたつ》にうづくまりて絵
本読みふけりたる、あるひは帯しどけなき襦袢《じゅばん》の襟《えり》を開きて円《ま....
「画」より 著者:正岡子規
主町という淋しい町があってそこに浅井先生という漢学の先生があった。その先生の処へ
本読みに行く一人の子供の十余りなるがあったが、いつでもその家を出がけにそこの中庭....