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本邸
「本邸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
本邸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
で、日こそ違いますが二年|前《ぜん》にあの大地震のあった十月、いよいよ私はN家の
本邸で結婚式を挙げる事になりました。連日の心労に憔悴《しょうすい》し切った私が、....
「蠅男」より 著者:海野十三
弥次馬たちはワッと手を叩いて囃したてた。 それと丁度同じ時刻のことであったが、
本邸に帰った糸子は、何を思ったものか、突然お松に命じて、宝塚ホテルを電話で呼び出....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
約八十キロ)へだたった所に、わたしの美しい城はあった。 このミリガン・パークの
本邸に、わたしは母と、弟と、妻と、自分とで、家庭を作っていた。 半年前からわた....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
あった狂六先生を呼びよせて別荘内にアトリエを造ってやった。 この戦争で前山家の
本邸は焼失し、また他の別荘や土地の多くは財産税で人手に渡って今ではこの別荘が残っ....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
だから僕は、銚子駅で、親切ごかしに僕自身の手でこ奴をチッキにつけたんだよ。夫人の
本邸へではなく、内密で僕のこの事務所を宛名にしてね。――今頃は屹度岸田の奥さん、....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
固く決心したが、しかしそれでは食って行けない。止むを得ず戸田侯の徒士となったり旗
本邸を廻り歩いたり、突然医家を志し幕府の典医|山本宗英の薬籠持ちとなって見たり、....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
一室には、別荘番の丑松と、護衛の男達が雑居していた。 以上五つの部屋によって、
本邸の一郭は形作られていたが、それら部屋部屋の間には、共通の警鐘が設けられてあっ....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
五分ごろ行ったときには食事の終るところで、九時半ごろからもみはじめた。 食事は
本邸だが大川さんの寝るのは別館で本館にくらべればよほど小ヂンマリした洋館であった....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
伊勢の松坂は天下の富豪三井家の発祥の地だが、そこへ牛肉を食いにでかけたら、三井の
本邸が旅館兼料理屋になっていた。 碁や将棋の対局は静かな環境が必要だから、新聞....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
門へまわって案内を乞う。門番の小屋があって、中年の日本人の下婢が顔をだした。奥の
本邸とレンラクの後、案外カンタンに庭内の捜査を許してくれたが、なるほど入口には物....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
けろ。まだ遠くへは行かんぞ。」と警部は呶鳴り散らした。 しかし風向で見ると火は
本邸の方に向っている。何より先にこの危険を防がなければならない。伯爵も出てきてみ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いう人の所へ通っておりました。出来がよいと直に特別|扱にされます。或日塾の祝日に
本邸から藩主代理として来られた川田佐久馬氏が、次兄の態度が気に入ったとて話を進め....
「印象」より 著者:小酒井不木
ます。ところが、良人は私が床に就きますと、それをよいこと幸にして、こうして、私を
本邸から離れた別館に移して、早く死ねかしの態度を取り始めました。そこで私は何とか....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
ず大略は出来した頃、丁度私と引違えて彼の別荘へ避暑に出かけた貴族エル何某が、其の
本邸に帰ったという噂を聞いたので、先日の礼かたがた其の邸を初めて訪問した。主人の....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
しょうが、主人が昨年の春シベリアから帰還したことは御存じでしたわね」 「麻布の御
本邸で、一二度お目にかかりました」 「松岡の父が只今重態で、昨今、危篤状態である....