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札
「札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ら見た煙草屋の飾り窓。巻煙草の缶《かん》、葉巻の箱、パイプなどの並んだ中に斜めに
札《ふだ》が一枚懸っている。この
札に書いてあるのは、――「煙草の煙は天国の門です....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
―夢の中の彼には明るい心もちのするものだった。(彼は或夜の夢の中にはまだ新しい花
札の「桜の二十」と話していた。しかもその又「桜の二十」は四五年前のお芳の顔をして....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
粟野さんはてれ隠しに微笑《びしょう》しながら、四《よ》つ折《おり》に折った十円
札を出した。
「これはほんの少しですが、東京|行《ゆき》の汽車賃に使って下さい。....
「影」より 著者:芥川竜之介
た。
鎌倉。
下《くだ》り終列車の笛が、星月夜の空に上《のぼ》った時、改
札口を出た陳彩《ちんさい》は、たった一人跡に残って、二つ折の鞄《かばん》を抱えた....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
きしゃ》一台曲らなかった。たまに自動車が来たと思えば、それは空車《あきぐるま》の
札を出した、泥にまみれているタクシイだった。
その内に彼の店の方から、まだ十四....
「死後」より 著者:芥川竜之介
変らなかった。いや、門の上の葉桜の枝さえきのう見た時の通りだった。が、新らしい標
札《ひょうさつ》には「櫛部寓《くしべぐう》」と書いてあった。僕はこの標
札を眺めた....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
、砂の上の何かを拾い上げた。それは瀝青《チャン》らしい黒枠の中に横文字を並べた木
札だった。
「何だい、それは? Sr. H. Tsuji……Unua……Apri....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
――今でも行って御覧になれば、信行寺の前の柱には「説教、毎月十六日」と云う、古い
札《ふだ》が下《さが》っていますが、――時々和漢の故事を引いて、親子の恩愛を忘れ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
の懐ろからナイフだのパチンコだのゴム鞠《まり》だのと一しょに一束《ひとたば》の画
札《えふだ》を取り出した。これは駄菓子屋《だがしや》に売っている行軍将棋《こうぐ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
おおきなさい」
煙客翁はすぐに張氏の家へ、急の使を立てました。使は元宰先生の手
札《しゅさつ》の外《ほか》にも、それらの名画を購《あがな》うべき※金《たくきん》....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
《いまだかつて》、焼けたと云う事のない屋敷である。第二に、五月上旬、門へ打つ守り
札を、魚籃《ぎょらん》の愛染院《あいぜんいん》から奉ったのを見ると、御武運長久|....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
》を纏《まと》わせた。またあるものはその十字架《くるす》の上に、I・N・R・Iの
札をうちつけた。石を投げ、唾《つば》を吐きかけたものに至っては、恐らく数えきれな....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
僕の一家は宇治紫山という人に一中節を習っていた。この人は酒だの遊芸だのにお蔵前の
札差しの身上をすっかり費やしてしまったらしい。僕はこの「お師匠さん」の酒の上の悪....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
ものは、実に菊池寛自身である。彼は作家生涯を始めた時、イゴイズムの作家と云う貼り
札を受けた。彼が到る所にイゴイズムを見たのは、勿論このリアリズムに裏書きを与える....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
れは免除してもらった。 リボーの店は今日でも残っているが、行って見ると、入口の
札に「ファラデーがおった」と書いてある。その入口から左に入った所で、ファラデーは....