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札の辻
「札の辻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
札の辻の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は、旅の空で旧暦十一月の十日過ぎを迎えた。その時は、千住からすぐに高輪へと取り、
札の辻の大木戸、番所を経て、東海道へと続く袖が浦の岸へ出た。うわさに聞く御台場、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
な」 「京都まで」 「いかさま」 「柳緑花紅《やなぎはみどりはなはくれない》」の
札の辻を、逢坂山《おうさかやま》をあとにして、きわめて人通りの乏しい追分の道を、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
三人を追いかけるのも、是非のない次第です。 二十二 兵馬は、
札の辻の温泉案内の前に立ちつくして、安からぬ胸を躍《おど》らせておりました。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
有頂天《うちょうてん》で、その席を送り出されて来ました。
そうして、伝馬会所の
札の辻のところまでやって来た時、不意に道庵先生の後ろから水をブッかけたものがあり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
道まで出てしまいました。 「奴茶屋《やっこぢゃや》はドコになりますか、柳緑花紅の
札の辻はどちらですか」 この質問はナンセンスでした。不破の関守氏らしくもない愚....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
西へ向って歩み出したことは、前に机竜之助がしたと同じことですが、柳は緑、花は紅の
札の辻へ来てからにしてが、あの時の妖怪味はさらに現われず、また一方、その前日にあ....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
ある。 暗い夜道を附かず離れず、二人の男は歩いて行く。赤羽を過ぎて三田の三角、
札の辻へかかるころから、後の男は足を早めたが、気が付いたように立ち止まると、下駄....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
行った。 父はそのままにして帰った。 あとで聞くと、父とほとんど同じ時刻に、
札の辻のそばで怪しい女に出逢ったという者があった。それは蕎麦屋の出前持で、かれは....
「べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
の頭巾を、これで何度見ているか分らなかった。 白金の中屋敷の近くでも一、二遍、
札の辻あたりでも――またこの金杉橋では今日でもう三、四度。 ある時は、はっと、....