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札入
「札入〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
札入の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
しますまい。その代り品物の何と何とを持って行かれるか、その品目を書いた借用証を一
札入れていって下せえ。小山さんもそういわっしゃるだ」 臼井の眼が小山すみれ嬢の....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
。場合によつては、金策のために上京される必要があるとしたら、例えば、借用証書を一
札入れるとか、出来れば、相当な保証人をお立てになるとか……」 「ないですよ、そん....
「光は影を」より 著者:岸田国士
、心配なの」 「いゝさ、いゝさ、取越苦労は、もうよしたまえ。そんなに心配なら、一
札入れておいてもいゝ。一、同棲はしても、決して、夫婦にはあらざること。従つて、甲....
「蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
。材木代や建築費はさし当って木村が立替えておいてもよいが、見積り金額の借用証を一
札入れて貰いたく、ついては、昔から知り合いの間柄ではあるが、確実を期するため、白....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
た。 「待て、どうする気なのだ?」 「厚紙をもらってきて、ここで、ランドセルの名
札入れの大きさに合わせます」 「ふん。──もらってきた厚紙が小さすぎたら……もう....
「道草」より 著者:夏目漱石
を慥《たしか》に覚えていた。彼が実家へ復籍する事になった時、島田は当人の彼から一
札入れてもらいたいと主張したので、健三の父もやむをえず、何でも好いから書いて遣れ....
「正義」より 著者:浜尾四郎
にして森木は室内にしのび込む。スタンドの薄明りで子爵の枕もとには腹をふくらました
札入と一挺のピストルが目についた。するすると進んで彼が
札入に手をかけた刹那、子爵....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
して眺めれば、これは見事なお家流の女文字。 「ええと、」と藤吉は読み上げた。「一
札入申候証文之事《いっさついれもうしそうろうしょうもんのこと》、私儀御当家様とは....
「おにおん倶楽部」より 著者:林芙美子
目の二人に切符を握らせると、二人はあわてたように顏を赫くして、ポケットをさぐって
札入れを出している。 「いいンですよ。財布なンか出して、スリに盜まれるといけない....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
里のナショナル・エスコートで振出した旅行信用状《トラベラーズ・チェック》の入った
札入などは、手もふれたようすがなかった。ただひとつ、王女の写真だけが盗まれている....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
支払いにけたちがいの金を出し、それを注意したら、金の勘定は不得手だからたのむと、
札入れを泰造にまかした、というのであった。誰と歩いても、砂場と歩いたひとは、みん....
「文芸時評」より 著者:宮本百合子
の点の統一をきびしく求める因子をふくんだものなのである。 一方に池田小菊氏の「
札入」(改造)がある。他方に尾崎一雄氏の「暢気眼鏡」(文芸春秋)がある。その中央....