札場[語句情報] »
札場
「札場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
札場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
付かりました」 「どこで見付かりました」と、半七も忙がわしく訊いた。 「追分の高
札場のそばの土手下で……」 「それじゃあ近所ですね」 「はい。店から遠くない所で....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
って都大路を逃げ失せたのじゃな。しからば、早速触れを出す事に致そう」 翌日、高
札場の前を通り掛ると、人々が集って笑っている。見れば、 「万一首のなき者通行致さ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
両国橋へさしかかったとき、察しの通り、やはり刺客が伏せてあったのです。橋袂のお制
札場の横から、ちらりと黒い影が動いたかとみるまに、銃さきらしい短い棒がじりッとの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
よいよ。」 互いに競い合う村の人たちの声は、荒町のはずれから馬籠の中央にある高
札場あたりまで響けた。こうなると、庄屋としての吉左衛門も骨が折れる。金兵衛は自分....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
違の見附まで歩いて行って見たのは二十三日のことであったが、そこに人だかりのする高
札場にはすでに長州征伐のお触れ書が掲げられていた。 七月二十九日はちょうど二百....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
したばかりの時だ。街道に添うて旅人に道を教える御嶽登山口、路傍に建てられてある高
札場なぞを右に見て、福島の西の町はずれにあたる八沢というところまで歩いて行った時....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ために東西を記したのはありません。山川草木も、南北を指しているのはない。道標か、
札場は……それも見当らない。
米友は地団太を踏みました。
誰かをつかまえて、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
一 このたびの大火にあたって、いつぞや、宇津木兵馬が触書《ふれがき》を読んだ高
札場《こうさつば》のあたりだけが、安全地帯でもあるかのように、取残されておりまし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その夜の――暁方のことです。 最初に宇津木兵馬が触書《ふれがき》を読んだ例の高
札場のところ。 歯の抜けたような枝ぶりの柳の大樹。 がんりきの百という野郎が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
尼宮様の面影《おもかげ》がお痛わしい。 道庵と、米友が、善光寺の仁王門を出でて
札場のところまで来ると、そこで祭文語《さいもんがた》りが、参詣の善男善女の足を引....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い立って殺到して来たわけではない。松並木になって、左右が畷《なわて》に続いている
札場のところまで来て、
「ああ、怖《こわ》――」
と、殿《しんがり》として後ろに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
があったものです。 米友には、まだ「富」の観念がよく定まっておらないながらに、
札場《ふだば》の中へ入って、人の蔭になって様子をながめていたものです。 世話人....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つこと幾日、宇津木兵馬は同じ道を、すでに飛騨の高山の町に入って、一の町二丁目の高
札場《こうさつば》の前に立っておりました。 大きな柳の枯枝に、なぶられている立....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
通りを少し遠っ走りして、湖の水の見えるところまで行って引返そうとする時、そこに高
札場があって、幾つもの札のかけてあるのを見つけました。その高札を片っ端から読んで....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
薄くかかった中を、小走りに急いだ。
石垣、その上に、その横に連なっている柵、高
札場が見えた。門は、まだ開かれていた。
面番所前の飾り武器、周章てて門を出て来....