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朽廃
「朽廃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
朽廃の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「上野」より 著者:永井荷風
昭和の今日に及んでいる。公園は之がために年と共に俗了し、今は唯病樹の乱立する間に
朽廃した旧時の堂宇と、取残された博覧会の建築物とを見るばかりとなった。わたくしを....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
んじ》をいうのである。明治三十一、二年の頃、わたくしが掃墓に赴いた時には、堂宇は
朽廃し墓地も荒れ果てていた。この寺はむかしから遊女の病死したもの、または情死して....
「百花園」より 著者:永井荷風
島に行き、半枯れかかっている病樹の下に立って更に珍しくもない石碑の文をよみ、また
朽廃した林亭の縁側に腰をかけては、下水のような池の水を眺めて、猶且つ倦まずに半日....
「放水路」より 著者:永井荷風
りから釜屋堀《かまやぼり》の岸づたいに歩みを運ぶ中《うち》、わたくしはふと路傍の
朽廃《きゅうはい》した小祠《しょうし》の前に一片の断碑を見た。碑には女木塚《おな....
「元八まん」より 著者:永井荷風
が目についた。近寄って見ると、松の枯木は広い池の中に立っていて、その木陰には半ば
朽廃した神社と、灌木に蔽われた築山《つきやま》がある。庭は随分ひろいようで、まだ....