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杉菜
「杉菜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
杉菜の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
間から、お池の水が小さい堰塞《いせき》を踰《こ》して流れ出る溝がある。その縁の、
杉菜の生えている砂地に、植込の高い木が、少し西へいざった影を落している。僕はそこ....
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
涎懸けのように半月形をして、その根元の頸を巻いている。雪の下からは蒼黯い偃松が、
杉菜ほどに小さく見えて、黄花石楠花は、白花石楠花に交って、その間にちらほらしてい....
「旅愁」より 著者:横光利一
ているにちがいない二人のことを思うと、間もなく湯から出た。
宿の女中から貰った
杉菜や、生椎茸を擁えて彼は山小屋の方へ登った。谷底の川の表面は氷の解けた流れだけ....
「日輪」より 著者:横光利一
君長は女を放して剣を抜いた。大夫の首は地に落ちた。続いて胴が高縁に倒れると、
杉菜の中に静まっている自分の首を覗いて動かなかった。 「来れ。」と君長は女にいっ....
「雁」より 著者:森鴎外
で囲ってはなかった。きたない石垣が築いてあって、苔蒸した石と石との間から、歯朶や
杉菜が覗いていた。あの石垣の上あたりは平地だか、それとも小山のようにでもなってい....
「父の俤」より 著者:佐藤垢石
がしい柔らかい風が吹くことであろう。小石原から立つ陽炎がゆらゆらと揺れる。砂原の
杉菜の葉末に宿った露に、日光が光った。 眼の前の、激流と淵の瀬脇で、ドブンと日....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
して退治しようかと思うほどであるのに、孫どもはやって来ると先ずそれに目を著ける。
杉菜が畠に入ると飛び上るほども農夫が騒ぐのは、一つには根が深くて除きにくいためも....