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材木
「材木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
材木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
《あいにく》この話の主題ではない。が、大体を明かにすれば、伝吉は維新《いしん》後
材木商を営み、失敗に失敗を重ねた揚句《あげく》、とうとう精神に異状を来した。死ん....
「或る女」より 著者:有島武郎
気味わるさがこみ上げて来て、葉子は思いきり男の胸をゆすぶってみた。
しかし男は
材木のように感じなく熟睡していた。
(前編 了)....
「或る女」より 著者:有島武郎
ていた。それがいかにも晩春の夕暮れらしかった。
砂丘《さきゅう》をのぼりきると
材木座《ざいもくざ》のほうに続く道路に出た。葉子はどうも不思議な心持ちで、浜から....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
だった。
変わったといえば家の焼けあとの変わりようもひどいものだった。黒こげの
材木が、積み木をひっくり返したように重なりあって、そこからけむりがくさいにおいと....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
になってからとして、ともかくも今夜一夜を凌ぐ画策を定めた。 自分は猛雨を冒して
材木屋に走った。同業者の幾人が同じ目的をもって多くの材料を求め走ったと聞いて、自....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
る。新しく建て増した柱立てのまま、筵がこいにしたのもあり、足場を組んだ処があり、
材木を積んだ納屋もある。が、荒れた厩のようになって、落葉に埋もれた、一帯、脇本陣....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、気長に金子にして、やがて船一|艘、古物を買い込んで、海から薪炭の荷を廻し、追々
材木へ手を出しかけ、船の数も七艘までに仕上げた時、すっぱりと売物に出して、さて、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
塚の傍に横わりて、丈三尺余、周囲およそ二尺は有らむ、朽目赤く欠け欠けて、黒ずめる
材木の、その本末には、小さき白き苔、幾百ともなく群り生いたり。 指して、それを....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
曲輪が湖だという。それに、間を置いちゃあ大雨ですから市中は戦です。壁が壊れたり、
材木が流れたりしますんですが、幸いまだ家が流れる程じゃあないので、ちょうど石滝の....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
で。ただ稀代なのは、いつの間にやら雨で洗ったように、焼跡らしい灰もなし、焚さしの
材木一本|横わっておらぬばかりか、大風で飛ばしたか、土礎石一つ無い。すらりと飯櫃....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
る映写幕には日露戦争の実況(?)が写つていた。 我々は観客席(といつてもそこは
材木と布でしきられた何坪かのじめじめした地面にすぎないのであるが)に立つて押しあ....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
り、樵夫が驚いて逃げ帰るくらいのものなり。中には握飯を貰いて、ニタニタと打喜び、
材木を負うて麓近くまで運び出すなどいうがあり。だらしのなき脊高にあらずや。そのか....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
冠をした船頭は、かかる夜のひっそりした水に声を立てて艪をぎいーぎい。 砂利船、
材木船、泥船などをひしひしと纜ってある蛤町の河岸を過ぎて、左手に黒い板囲い、※と....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
逆茂木を打ったるごとく、要害堅固に礎を立てた一城の主人といっても可い、深川木場の
材木問屋、勝山重助の一粒種。汗のある手は当てない秘蔵で、芽の出づる頃より、ふた葉....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
る。ふりかえって見るとそれは蟻の塔である。蟻の塔は、よく松の大樹などを伐り倒して
材木を取ったあとなどに見らるるものである。秋日が隈なくさす草の間に伐り残した松が....