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「村外れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

村外れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
雇えるわけです。しかしこの問屋場に係り合のない人足で、彼の伊賀越の平作のように、村外れや宿はずれにうろ付いて客待をしている者の中には、所謂雲助根性を発揮して良く....
十二支考」より 著者:南方熊楠
施し、藁の床に臥さしめ、己は土上に坐し終夜眠らず、襦袢を作って与え、朝食せしめて村外れまで送った。伏羲嬉しさの余り、その婦に汝が朝手初めに懸った業は、※《くれ》....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
進上致すが、その金を遣ってしまってはいかぬけれども、貴公も左様して遊んで居るより村外れで荒物|店でも出して、一軒の主になって女房子でも持つようになれば、親類|交....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んでした」 「国境までは何里あります」 「それは大変でございます、ここは久々野の村外れとしましても、美濃の国境の金山《かなやま》までまだ二十里もございます」 「....
二つの正月」より 著者:寺田寅彦
有田については陶器よりも別な珍奇なものが頭の中のスケッチブックに記録されている。村外れの茶店で昼飯を食った時に店先で一人の汚い乞食婆さんが、うどんの上に唐辛子の....
霧の中」より 著者:豊島与志雄
こむ。川獺のとんきょうな奴だ。それももう人を化かすことは出来ない。去年の秋には、村外れの爺さんの大きな藻蟹のウケに一匹はいりこんで、まんまと生捕られ、爺さんの自....
餅のタタリ」より 著者:坂口安吾
りながら、私は新年に餅を食うが、鯉や鮒を食うような習慣は持ち合せがない。最近この村外れに道ブシンがはじまって、よそから人足がはいってるから、餅を食ってるのは私だ....
トロッコ」より 著者:芥川竜之介
る。せめては一度でも土工と一しょに、トロッコへ乗りたいと思う事もある。トロッコは村外れの平地へ来ると、自然と其処に止まってしまう。と同時に土工たちは、身軽にトロ....
近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
隠れるのに都合のいい所であった。 その夜中から村人を狩集めて、隊士が手伝って、村外れに小さい、歪《くぼ》んだ所をこしらえた。二三人が押したら、すぐ潰《つぶ》れ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
秋山氏、今日の勝負は?」 「アッハハ、後日真剣で!」 因果な恋 1 高萩村の村外れに、秩父|香具師の部落があり、「|刃ノ郷」と称していた。三十軒ほどの人家が....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
だし、土手の斜面を田圃のほうへゴロゴロと転がり落ちて行った。 捨蔵さまは草加の村外れで、寺小屋をひらいていた。 万年寺を逃げ出したのには、深いわけがあったの....
地上」より 著者:島田清次郎
酒醸造の事業をはじめた。彼の計画は見事に的中して、新しい生気が村中に溢れて来た。村外れの空地に大きい酒蔵が建てられ、白壁がきら/\日光に輝く下で、若い村の青年が....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の軒下に佇んで居りますとやがて戸をあけました。そこで関所はどこかと聞きますとこの村外れであるという。関所といっても別に門はない。ただ見張をして居る家があるだけで....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
葉に残っているのであります。かような次第で血の穢を忌むという思想から、各村落には村外れの地に共同の産小屋を設けて、そこへ行ってお産をする習慣は、昔は各地にあった....
来り人の地位と職業」より 著者:喜田貞吉
事でも出来る様なものは格別、何ら取り得のないものでは、やっと村民の同情に訴えて、村外れの空地などに家を建てさせてもらって、もしくは家を建ててもらって、村人の為に....