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束
「束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
か少年に似た、可憐《かれん》な顔を現してしまう。踊り子は静かに窓をあけ、小さい花
束《はなたば》を下に投げる。
31
往来に立った少年の....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
一世の代りに、書斎の壁へ懸けて置きましたから、私も後《のち》に見ましたが、何でも
束髪《そくはつ》に結《ゆ》った勝美婦人《かつみふじん》が毛金《けきん》の繍《ぬい....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《じょうぐうたいし》などの兄弟です。――が、そんな事を長々と御話しするのは、御約
束の通りやめにしましょう。つまり私が申上げたいのは、泥烏須《デウス》のようにこの....
「河童」より 著者:芥川竜之介
いかなれるかを知るものなし。
問 予は予の机の抽斗《ひきだし》に予の秘蔵せる一
束《ひとたば》の手紙を――しかれどもこは幸いにも多忙なる諸君の関するところにあら....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
顔を照らした。
書面は求馬が今年《ことし》の春、楓《かえで》と二世《にせ》の約
束をした起請文《きしょうもん》の一枚であった。
三
寛文《....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
たのは。しかし体を売ったと云っても、何も昔風に一生奉公《いっしょうぼうこう》の約
束をした訣《わけ》ではありません。ただ何年かたって死んだ後《のち》、死体の解剖《....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
事を云った。姉は去年縁づく時、父に分けて貰う筈だった物が、未《いまだ》に一部は約
束だけで、事実上お流れになっているらしい。――そう云う消息《しょうそく》に通じて....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
。早く。――早くしないと、大変だから。」
常子はやむを得ず荷造りに使う細引を一
束《ひとたば》夫へ渡した。すると彼はその細引に長靴の両脚を縛《しば》りはじめた。....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
けたんですがね。とっつかまえて見りゃ何のことはない。ただそのながらみ取りと夫婦約
束をしていたこの町の達磨茶屋《だるまぢゃや》の女だったんです。それでも一時は火が....
「運」より 著者:芥川竜之介
、さっきから、人通りが絶えない。金鼓《こんく》をかけた法師《ほうし》が通る。壺装
束《つぼしょうぞく》をした女が通る。その後《あと》からは、めずらしく、黄牛《あめ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
とへ引き寄せました。 「この阿魔め。まだ剛情を張る気だな。よし、よし、それなら約
束通り、一思いに命をとってやるぞ」 婆さんはナイフを振り上げました。もう一分間....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
の髪の毛が縮れている若々しい額、やさしく撫でる手、物云う眼、皷動する心臓、唇を約
束する微笑、抱愛を約
束する唇!――そして最初の接吻、思わず眼を閉じさせる、あのい....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
り、またつとめて勇気を振い起し大願成就なさしめたまえと明神の祠を遙拝して、末|覚
束なき旅に上りぬ。路用として六円余、また東京へ着して三四ヶ月の分とて三十円、母が....
「寡婦」より 著者:秋田滋
変り果てた姿をもう一度見ようとはしませんでした。ただ、その子の金色の頭髪のながい
束を一つ貰ったのです。そ、それが――これなのです」 そう云って、老嬢は絶望的な....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
見はっていたが、新しい競争者があらわれようものなら、共同の目的のためにただちに結
束して襲いかかってくるのだった。 こういう連中のなかで、もっとも恐ろしかったの....