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束ねる
「束ねる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
束ねるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
るから、いっそその弟子になって髪結で身を立てる。商売をひいてからは、いつも独りで
束ねるが、銀杏返しなら不自由はなし、雛妓の桃割ぐらいは慰みに結ってやって、お世辞....
「黴」より 著者:徳田秋声
はまだ悩み続けていた。 二十七 産婆が赤い背の丸々しい産児を、両手で
束ねるようにして、次の室の湯を張ってある盥の傍へ持って行ったのは、もう十時近くで....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
にひげをはやしたような工合に見える。
のりをつけるもの、帯封を張るもの、県別に
束ねるもの、戸外へ運び出すもの、四囲はほこりがもうもうとして、みな、たすきがけで....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
だろう。その髪も産後の抜毛に薄くなって、生え際が妙に透いて見えた。起き上って髪を
束ねるのに、長く時間を費した。表皮だけが白くて底艶のない顔をしながら、鋭い光りの....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
べたものなどもそのまま出た。 ………… 産婆が赤い背の丸々しい産児を、両手で
束ねるようにして、次の室の湯を張ってある盥の傍へ持って行ったのは、もう十時近くで....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
に見えた。
ファンティーヌの心のうちにはある暗い変化が起こっていた。もはや髪を
束ねることもできないのを知った時に、周囲の者すべてを憎みはじめた。彼女は長い間皆....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
だろう。鍛冶屋《かじや》の仕事場もどんなにか光り輝くだろう。鋤《すき》をとり穂を
束ねることもどんなにか幸福に見えるだろう。風のまにまに自由の帆を操《あやつ》る小....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
「房吉は逃げはすまいな」 「はばかりながら法神大先生の没後、法神流何千の門弟を
束ねる房吉先生です。定法通りの申込みをうけた立合いに逃げをうつようでは、第一法神....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
行かねばならぬ。同族が相争う時には家運は亡びる。一本の矢は折れ易いが、十本の矢を
束ねる時は折れない、というこの教訓は、自分の家の掟に適っている。 一、節倹は家を....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
でもやって来たので、大抵の事には心得がある。伐りおろした樫の枝を鉈でこなして薪に
束ねる。そういうこともよくしていた。 秋のすえである。打ち込む鉈の下から樫の枝....
「城」より 著者:カフカフランツ
がいっぱいつまっていた。開けたときに、二つの大きな書類束がころがり出た。よく薪を
束ねるときにやるように丸くくくってあった。細君は驚いてわきへ飛びのいた。
「下に....