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「来り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

来りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ちかまつもんざえもん》などの名を並べている。こう云う名前もいつの間《ま》にか有り来りの名前に変ってしまう。のみならずそれ等の標札の向うにかすかに浮んで来る南瓜畠....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
三晩しか泊らないのか?」 「さあ、土匪《どひ》の斬罪《ざんざい》か何か見物でも出来りゃ格別だが、………」 僕はこう答えながら、内心長沙の人譚永年の顔をしかめる....
路上」より 著者:芥川竜之介
れている。」 俊助は嘲《あざけ》るように微笑した。 「君がたまに制服なんぞ着て来りゃ、どうせ碌《ろく》な事はありゃしない。」 「これか。これは藤沢の制服なんだ....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
ばてれん》めきたる人影《ひとかげ》あり。その人、わが眼を挙ぐるより早く、風の如く来りて、問いけるは、「汝、われを知るや」と。われ、眼《まなこ》を定めてその人を見....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
として春まだ浅き北海の客となった一人である。年若く身は痩《や》せて心のままに風と来り風と去る漂遊の児であれば、もとより一攫千金《いっかくせんきん》を夢みてきたの....
婦系図」より 著者:泉鏡花
片附いたかい、大変だったろう。」 「戦だ、まるで戦だね。だが、何だ、帳場の親方も来りゃ、挽子も手伝って、燈の点く前にゃ縁の下の洋燈の破れまで掃出した。何をどうし....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
寂しい。 二条ばかりも重って、美しい婦の虐げられた――旧藩の頃にはどこでもあり来りだが――伝説があるからで。 通道というでもなし、花はこの近処に名所さえある....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て安心したものか、やがてスーッと、丁度蜻蛉のように、空を横切って、私の足元に飛び来り、その無邪気な、朗かな顔に笑みを湛えて、下から私を見上げるのでした。 不図....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
以て任ずるものでないことを告ぐれば、彼等はドグマだらけの神学者の常套語などを傭い来りて、自家の主張の防衛につとめる。要するに彼等は或る特殊の場合に、或る特殊の目....
良夜」より 著者:饗庭篁村
ら呼吸を強くし力足を踏み、町はずれまで送りし人々の影を見かえり勝ちに明神の森まで来りしが、この曲りの三股原に至り、またつとめて勇気を振い起し大願成就なさしめたま....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
をつけて訪ねて来て、デビーの略服にかえって驚かされた。 コモ湖を過ぎてゼネバに来り、しばらくここに滞在した。 この間に、友人アボットに手紙を出して、フランス....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ント・ハリスが全権を帯びて来るに及び、始めて通商条約を結び、次で英露仏等の諸国も来りて新条約の仲間入したれども、その目的は他に非ず、日本との交際は恰も当時の流行....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
作さんの『宙を飛ぶパラソル』はこのあたりでの出来ごとである――の果て近くまで論じ来り、遂いに淋しい松根に御輿をすえてしまい、秋月すでに帰り、太陽は名代の顔にしま....
活人形」より 著者:泉鏡花
を現してやるから。と何やら意味ありげに眩きけり。 さて泰助が東京よりこの鎌倉に来りたるは、左のごとき仔細のありてなり。 今朝東京なる本郷病院へ、呼吸も絶々に....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
』 船『なアに大丈夫です。気永くおやりなさい。』 漁史の動悸は、一秒毎に高まり来り、嬉しいには相違なきも、危惧の念亦一層強く、たとえ十分信頼せる釣具にせよ、首....