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来意
「来意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
来意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
もよろしく御指導のほどを御願い致します。」
私はここに至って、ようやくこの男の
来意が呑みこめたような心もちがした。が、夜中《やちゅう》書見の清興《せいきょう》....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
ことを考えると、かなり恥かしく思う。 中田博士は、いつものように在宅した。俺が
来意を述べると、 「そうそう、君の脚本を預かっていたっけ」と、いいながら立って、....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
丈の事を云い、聞く丈の事を聞くとしましょう」とて、始めて座に就いた。
余は先ず
来意を述べ「今夜来たのは松谷秀子の身に就いて篤と御相談の為ですが、第一に伺い度い....
「人間灰」より 著者:海野十三
技師の方は愛想よく云った。 「今日は実は……」と署長は苦が手の方を気にしながら、
来意を述べにかかった。「液体空気を一壜貰いにやってきたのです」 赤沢氏はますま....
「蠅男」より 著者:海野十三
しれた鴨下ドクトルだったし、黒服の中年紳士は村松検事であった。 二人はボーイに
来意をつげた。 ボーイは早速電話でもって、塩田先生に貸してある小室へ電話をかけ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
か悪いらしく寝台にねているミュンツァは、三十|恰好の上品な面立ちの男だ。折竹が、
来意を告げると踊りあがるような悦び。あのK・Mとは、やはりこのミュンツァ。 「あ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
みながら歩んで行くのだった。 彼は漸く高等工業学校の門に辿りついた。彼は門衛に
来意を告げて、大川に流れ込む細い溝に沿って半町ばかりの石畳の路を歩いて行った。校....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ていた。そのかたわらには五、六人の童子が扇を持って煽いでいた。役人は謹んで自分の
来意を訴えると、男は童子に頤で指図して金を運ばせて来た。見ると、それはさきに盗難....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
。 航空隊についたときは、もう翌日の午前一時になっていた。門をくぐって、衛兵に
来意をつげると、衛兵は山岸中尉から連絡されていると見え、すぐ案内してくれた。 「....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
頭が来た。これは氷垣とは違って、見るからに老実そうな五十余歳の男であったが、その
来意は氷垣と同様で、家の娘が途中で種々の御迷惑をかけて相済まないという挨拶であっ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
その人を尋ねたり。黒塀に囲いて庭も広く、門より十五六歩して玄関なり。案内を乞うて
来意を通ずれば、「珍しき人よりの手紙かな、こちらへと言え」と書生に命ずる主公の声....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
、第五は激動より生じ、第六は錯雑より生ずるなり。 まず第一の事情を述ぶるに、従
来意力を用いてなしたることも、多年その一事をもって習慣となすときは、自らこれを識....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
々手広い立派な邸宅で、何さま由緒ある貴族の別荘らしく見えた。で、私が名刺を出して
来意を通じると、別荘の番人が取あえず私を奥へ案内して、「あなたが御出の事は已に主....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
上の大学者であるという。
そこでその人の所へ参り相当の礼物を差し上げてそれから
来意を告げますと、あなたは文法あるいは修辞学をやったことがあるかという。そうです....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
」 教えられた通り、管理事務所の扉を開けた。机を前に調べものをしていた管理人に
来意を告げて納骨堂への案内を頼んだ。洋服を着た管理人は無言で立ち上って金庫から合....