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「来春〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

来春の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
あん》の定《じょう》燕麦|売揚《うりあげ》代金の中から厳密に小作料を控除された。来春の種子《たね》は愚か、冬の間を支える食料も満足に得られない農夫が沢山出来た。....
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
ある。 僕のだまって頷《うなず》くを見て、正作はさらに言葉をつぎ 「だから僕は来春《らいはる》は東京へ出ようかと思っている」 「東京へ?」と驚いて問い返した。....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
た。 「当分御逗留でござりますか」 宿の亭主に訊《き》かれた時に、次郎左衛門は来春《らいはる》まで御厄介になるといって、亭主の顔に暗いかげをなげた。正直な亭主....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ないんですかえ」 「年末は御用繁多で、とてもそんな所へ出向いてはいられないから、来春の十五日過ぎ頃まで待っていろと仰しゃるので……。それを無理にとも申し兼ねて、....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
らから願い度き物であるが、某一人に限らず、丹羽、池田、森、佐々等にも廻状を遣り、来春一同参列の上、取替したがよいであろう。殊に我々両人だけで、誓紙を取替したとあ....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
すか、俺等の田は、今年は大へん出来が悪くて、小作米の半分も出来ねえのでごわすが、来春の春蚕が上るまで待って項くわけに行きしめえか?」 斯う言って捨吉爺は、地主....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
矢田の母は又もや涙をこぼして喜んだそうです。そこで、ことしももう余日がないので、来春になったらばいよいよお蝶を輿入れさせるということに取りきめて、まずこの一件も....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
矢田の母は又もや涙をこぼして喜んだそうです。そこで、ことしももう余日がないので、来春になったらばいよいよお蝶を輿入れさせるということに取りきめて、まずこの一件も....
蜜柑」より 著者:佐左木俊郎
んを促した。 「うむ。――今年は、稲鳰、六つあげだようだな。小作米出した残りで、来春までは食うにいがんべな。」 「鳰一つがら、五俵ずつ穫れでも……婆さん、そんな....
秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
盛んに、直ちに右筆をして、呂宋総督マリニャス宛ての勧降の書を認ためしめ、末段に「来春、九州肥前に営すべし、時日を移さず、降幡を偃せて来服すべし、もし匍匐膝行遅延....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ぬことがいくらも切迫し、それがまた一つも考えがまとまりそうなのはありません。私は来春は父になるのです。 私が強くおちついていっさいの混雑を整理し、病気に打ち克....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
あるが、間もなく病気にかかったという牢屋医者からの届け出があったので、その仕置は来春まで延期されて、かれは暗い牢獄のなかで天保六年の春を迎えた。 三月になって....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
き手の佐太郎を、田圃からひツこぬいて掠つて行つた戦争を呪つた。毎日朝から晩まで、来春から田圃をどうするかと歎き暮した。 春野も近づいて、源治はヒヨツコリと耳寄....
春泥」より 著者:久保田万太郎
して女優を活用すること。――それには関西のある若宮贔負の金持がうしろ立になって、来春|匆々、東京の某大劇場で花々しく旗挙をするに決ったこと。……そうしたことを長....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
客は下の座敷に自炊している者が三、四人だけで、それも近く里へ帰ってしまえば、もう来春まで湯治客は絶えるとのことである。 浴槽は下手の別な建物にあって、板屋根は....