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杵
「杵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
杵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
を見ると、うす暗い中に、一体の金剛力士が青蓮花《あおれんげ》を踏みながら、左手の
杵《きね》を高くあげて、胸のあたりに燕《つばくら》の糞《ふん》をつけたまま、寂然....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、たちまちその雲気の中に、朦朧とした二尊の金甲神《きんこうじん》が、勇ましく金剛
杵《こんごうしょ》をふりかざしながら、影のような姿を現しました。これもあると思え....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
一
じゅりあの・吉助《きちすけ》は、肥前国《ひぜんのくに》彼
杵郡《そのきごおり》浦上村《うらかみむら》の産であった。早く父母に別れたので、幼....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
まい」 「あんなことが毎日あられてたまるものか」 二人は相見て笑いぬ。ときに数
杵《すうしょ》の鐘声遠く響きて、月はますます白く、空はますます澄めり。 白糸は....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
だと云う。 もとよりその女の児に取って、実家の祖父さんは、当時の蘭医(昔取った
杵づかですわ、と軽い口をその時交えて、)であるし、病院の院長は、義理の伯父さんだ....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
、すみません」 「そのうちに、わしも、腰の痛いのがなおったら、手伝うよ。昔とった
杵《きね》づかだからねえ」 「いえ、もうたくさんです。御隠居さん」 一郎は、一....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
千破矢の家の家老が貴方、参ったんだそうで、御主人の安否は拙者がか何かで、昔取った
杵柄だ、腕に覚えがありますから、こりゃ強うがす、覚悟をして石滝へ入ろうとすると、....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
げな大礼服を着て、一々|言立てをするのや、近年まであったカチカチ団子と言う小さい
杵で臼を搗いて、カチカチと拍子を取るものが現われた。また、それから少し下っては、....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
胸を貫かれるやら、焔に顔を焼かれるやら、舌を抜かれるやら、皮を剥がれるやら、鉄の
杵に撞かれるやら、油の鍋に煮られるやら、毒蛇に脳味噌を吸われるやら、熊鷹に眼を食....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
が正しいという説もあるが、本社祭神は大己貴命、相殿として素盞嗚尊、伊弉冊尊、瓊々
杵尊、大宮女大神、布留大神の六座(現在は大国魂神社)。武蔵では古社のうちへ数えら....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
会、姓名判断の占師、遠慮深くうしろの方から細い首を出して長唄の師匠の標柱が藍色の
杵の紋をつけている。「古土タダアゲマス」屋根に書いて破目に打付けてあるその露地へ....
「画道と女性」より 著者:上村松園
し通せたようなものの、六月七月となるとそうは根気が続きかねます。 私は以前には
杵屋六左衛門派の師匠に就いて、唄う方と弾く方と両方とも稽古したことがありますが、....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
ものも一人の崇敬者も、ともに童女を用うるをよしという。 そのほか、肥前国|西彼
杵郡高島村、吉本氏より報知せられたる仕方は、前述のものと別に異なることなし。ただ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
六かしい顔をしている先生の意外な珍芸にアッと感服さしたというのはやはり昔し取った
杵柄の若辰の物真似であったろう。「謹厳」が洋服を着たような満面苦渋の長谷川辰之助....
「古事記」より 著者:太安万侶
の神聖なお皿を作つて、また海草の幹《みき》を刈り取つて來て燧臼《ひうちうす》と燧
杵《ひうちきね》を作つて、これを擦《す》つて火をつくり出して唱言《となえごと》を....