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「松の声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

松の声の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
せて助けるというのが、明晩、とあったが、翌晩《あくるばん》もそのままで、次第に姫松の声が渇《か》れる。 「我が夫《つま》いのう、光国どの、助けて給《た》べ。」と....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
り 寒松風 枯はてしこすへはしらぬ夜あらしを あつめてさむき松の声かな 船中月 心なきあま人さへもをのつから あはれと見....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が泣くから御免なさいまし」 「意気地なしめ」 「与八さん、与八さん」 そこへお松の声。 「与八さんはいませんか」 「はい、ここにいますよ」 与八は助け舟にす....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
も、外なる女の声を、じっと耳に留めていたのだが、それは、お君の声でもなければ、お松の声でもありません。さりとて鐘撞堂新道にいるお蝶の声とも思われないし、無論、両....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
っては……どうしていいか、わたしにも分らない」 と言ったのは、まごうべくもないお松の声であります。 無論、この絶望に近い呼び声に対して、なんらの表情をも返すこ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
されちゃアつまらないから、早く寝たんだ」 その時、思いつめて問いただしたのは清松の声であった。 「おキンさんにきくが、八十吉は十時ごろ一度戻ってきやしないか。....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
「オーウ」 という遠い山のフクロウのような声がきこえた。はじめて発した吉田八十松の声なのである。するとそれにつづいてポータブルが廻りはじめた。あまりその場にふ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
け、街道を赤尾村の方へ歩き出した。 「おい赤尾の、ちょっと待ちな」 怒った猪之松の声がした。 「用か」と振り返った林蔵の前に、猪之松の抜いた長脇差が、白く真直....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
におりますので」 「そうか」という声がすぐ応じたが、三人の中の一人であって、代官松の声であった。 「そうか」というと代官松は、知らせに来た乾児の猪吉という....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
」 と藤吉はもうほかのことを考えていた。 酔漢《よいどれ》のように呶鳴る味噌松の声が、まだここまで聞えてくる。ぴしゃり、というあの音は、鳶の一人が頬でも張っ....
」より 著者:上村松園
筵に思いをのぶる便りぞと夕ぎり立寄り主従とともに、恨みの砧打つとかや、衣に落つる松の声/\、夜寒を風やしらすらん」 秋酣の、折しも円らかなる月のさし出づるころ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、そこのみでなく、同じ頃に、船島にも当然伝わっていた。 ここでは。 波の音、松の声、雑木や姫笹の戦ぎも交じって、全島、今朝から人もないような気配だった。 ....
森の石松」より 著者:山中貞雄
石松。 「お半……お半」 (お半の声) 「出来るだけ早く帰ってね」 (石松の声) 「お半、下の親爺に聞いたんだけど、お前――」 (お半の声) 「だ....