松の落葉[語句情報] » 松の落葉

「松の落葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

松の落葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
るのだろう。鷹揚《おうよう》なところが頼母《たのも》しい。神無月《かんなづき》の松の落葉とか昔は称《とな》えたものだそうだが葉を振《ふる》った景色《けしき》は少....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
事もなく、猿の吉兵衛は主人の恩に報いるはこの時と、近くの山に出かけては柏の枯枝や松の落葉を掻き集め、家に持ち帰って竈の下にしゃがみ、松葉の煙に顔をそむけながら渋....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
をひょこりと出た。もとの山端へ引退り、さらば一服|仕ろう……つぎ置の茶の中には、松の落葉と朱葉が一枚。……」 (ああ、腹が減った……) と色気のない声を出して....
よろこびはその道から」より 著者:宮本百合子
をぬけて 草道はうねり あっちの林へ消えている その道の果はこの庭 この間の嵐で松の落葉の散りしいた この小径はよろこびの小径 夕方、六時が半分すぎた頃 この道....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
は最早余の及ぶところではなかった。 人も無し木陰の椅子の散松葉 子規 涼しさや松の落葉の欄による 虚子 などというのはその頃の実景であった。初め居士の神戸病....
五重塔」より 著者:幸田露伴
小やかなる折戸を入れば、花もこれというはなき小庭のただものさびて、有楽形の燈籠に松の落葉の散りかかり、方星宿の手水鉢に苔の蒸せるが見る眼の塵をも洗うばかりなり。....
食道楽」より 著者:村井弦斎
もすると味は大層|好《よ》いものですが秋になって初茸を出そうとするには六月頃から松の落葉を掃《は》かずにそのまま置いて藁《わら》を振り撒いておくと秋になって雨の....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
、南面の山腹へ対して万遍なくその光を直射しその熱をふりそそぎ、為に山肌に敷かれた松の落葉や、楢、櫟、榛などの落葉がからからに乾からびて、一歩一歩踏んで行く草鞋を....