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松毬
「松毬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
松毬の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たのだ。ダンネベルグ夫人が横たわっている寝台は、帷幕のすぐ内側にあって、それは、
松毬形の頂花を頭飾にし、その柱の上に、レースの天蓋をつけた路易朝風の桃花木作りだ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
なり。杣人山中で栗鼠に会うに、杣木片《そまこっぱ》すなわち斧で木を伐った切屑また
松毬《まつかさ》を投げ付けると、魔物同士の衝突だからサア事だ、その辺一面栗鼠だら....
「古狢」より 著者:泉鏡花
た古木もないが、ほどよく、暗くなく、あからさまならず、しっとりと、松葉を敷いて、
松毬まじりに掻き分けた路も、根を畝って、奥が深い。いつも松露の香がたつようで、実....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
七 「そのな、焼蛤は、今も町はずれの葦簀張なんぞでいたします。やっぱり
松毬で焼きませぬと美味うござりませんで、当家では蒸したのを差上げます、味淋入れて....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
さげて、殊に風の吹荒れた翌日などには松の茂った畠の畦道《あぜみち》を歩み、枯枝や
松毬《まつかさ》を拾い集め、持ち帰って飯を炊《かし》ぐ薪《たきぎ》の代りにしてい....
「琴」より 著者:マクラウドフィオナ
から日の入り方ちかくまで馬を進ませて来た。その時彼は眼前に青い長い丘が森の中から
松毬《まつかさ》のかたちに浮き出しているのを眺めた、丘の上には荒れはてた古城の沈....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
する。
そんなら一つ背の高いのをと思うと、
そいつはチルンスの杖のようで、
尖に
松毬が附いてやがる。
どうしよう。もう一つ太った奴を掴まえようか。
こんなのは気....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
|殊にその燃え方によって、名を付けた例は元は多かった。馬酔木をベリベリ柴と呼び、
松毬をチチリという類は、始は幼い者を喜ばせるためとしても、今は既に親々の方言にな....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
。九州でバエラ、中部地方でバイタ、モヤとかボヤとかいうのもそれであり、近畿一帯で
松毬をチチリ・チンチロなどというのもそれかと思う。だからバエバエゴクも御飯をたく....