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「板木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

板木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
机に倚《よ》り懸《かか》りながら、ぼんやり何かに思い耽って、授業の開始を知らせる板木《ばんぎ》の音さえ、聞き落してしまうような事が度々あるのでございます。その癖....
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
音が乱れ合った。犬が吠え出した。 「熊だあ！ 熊だあ！」 石油鑵が鳴り出した。板木《はんぎ》を敲《たた》く音。バケツを打ち鳴らす音。人々は叫び合った。 「熊だ....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
た。 「どっちへ行ったんだあ？」 石油缶が激しく鳴りだした。人々が叫び合った。板木を叩《たた》き鳴らす音が続いた。 「おーい！ どっちへ行ったのか分かんねえの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たに百二十間あまりの柵矢来が造りつけられ、非常時の合図として村々には半鐘、太鼓、板木が用意され、それに鉄砲、竹鎗、袖がらみ、六尺棒、松明なぞを備え置くという。村....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
てみた。それほどかれは世事にうとく暮らした。 毎日四時過ぎになると、前の銭湯の板木の音が、静かな寒い茅葺屋根の多い田舎の街道に響いた。 羽生の和尚さんと酒を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しへい》じゃねえが、親もなければ妻もなし、妻がなけりゃあ子供のあろう道理がねえ。板木《はん》がねえから本を刷って売ることもできねえ。この通りピイピイしているから....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
云々と書き認めていた。その時俄に邸内が騒がしくなって、火の見｜櫓《やぐら》で鐘と板木《はんぎ》とあえ交《ま》ぜに叩き出した。この火の見櫓はどこの屋敷にもあったも....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ん。」 やがて午後の懇談会の時刻になった。合い図はすべて、事務室の前につるした板木――寺院などでよく見るような――を鳴らすことになっていたが、次郎がその前に立....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ろしい煙りだ、眼があかれない！ 火の粉が鬢を焼き袖を焼く！ 嵐に飛ばされる屋根や板木片が、肩を打ち頭を打ち腕を打つ！ にわかに窒息しようとした。火事場に起こる現....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
と称ぶ時それは浮世絵の色彩を意味する。版画のあの落ちついた好もしい色彩の美は結局板木とバレンとの工作によって自然に出る色彩の綜合的妙味であって、版画の隆盛期に於....
「明治劇談　ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
駕籠屋で、今はおかみさんが女｜髪結をしている家の奥の間を借りている、定さんという板木屋の職人があった。その筋むこうに靴屋の平ちゃんというのがあった。この人たちが....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
西暦一七四二年あるひは三年）奥村政信の門人｜西村重長《にしむらしげなが》、一枚の板木《はんぎ》にて緑色《りょくしょく》及び紅色《こうしょく》二度摺の法を案出する....
「妾宅」より 著者:永井荷風
。しかして彼らはこの寒さと薄暗さにも恨むことなく反抗することなく、手錠をはめられ板木《はんぎ》を取壊《とりこわ》すお上《かみ》の御成敗《ごせいばい》を甘受してい....
「世間師」より 著者:小栗風葉
ほかには、二階に私一人だった。私は毎日銭占屋の為事を手伝ってやっている。この時も板木へ彫ったその判断書を駿河半紙へ刷っていたが、万年屋の出かけた後で、女房は独り....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
は元禄以前の暦を所有せり。明治以前の暦に中尾氏の出版せるもの今なお多く存し、現に板木を多数保存せり。されば御考証の五箇所唱門の瓦堂・鉾大明神・高御門・西坂（木辻....