枕元[語句情報] »
枕元
「枕元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枕元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《ごようす》を御見せにならず、ただ、青ざめた御顔を曇らせながら、じっと大殿様の御
枕元へ坐っていらしった事を考えると、なぜかまるで磨《と》ぎすました焼刃《やきば》....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
かたわら》、ひたすら諸々《もろもろ》の仏神に甚太夫の快方を祈願した。病人も夜長の
枕元に薬を煮《に》る煙を嗅《か》ぎながら、多年の本望を遂げるまでは、どうかして生....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
日本橋の家の二階で、氷嚢《ひょうのう》を頭に当てながら、静に横になっていました。
枕元には薬罎《くすりびん》や検温器と一しょに、小さな朝顔の鉢があって、しおらしい....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ないから考え込んで居やがると思われるも口惜《くや》しく、ようやく心を取直し、母の
枕元へいって夜遅くまで学校の話をして聞かせた。 翌《あ》くる日は九時頃にようや....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
に近づいたが、ポケットから点火器をとりだして、カチッと火をつけると、左手で静かに
枕元の方へさしだし、一方の右手を伸ばして夜具の襟をグッと掴むと、ソッと持ちあげて....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
蚊帳の中に這入り、万一|忍び込むものがあるときの脅しに使う薄荷入りの水ピストルを
枕元へ置いた。小初は横になり体を楽にするとピストルの薄荷がこんこん匂った。こんこ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
合せも?」 「ええ」 「ふーむ、ユニークな母子叙情の表現法だなあ」 かの女は、
枕元のスタンドの灯を消し、自分の頬に並べて枕の上に置いてあった規矩男の手紙を更に....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ころが夜の明け方まえになって、提灯をつけて帰って来ました。そして眼を覚ました僕の
枕元に座って、さめざめと泣くのです。堺屋のお内儀さんに満座の中で恥をかかされて、....
「空気男」より 著者:海野十三
ア」 「おお、それだ。早く早く。ゴホンゴホン」 妻君が薬の包みを渡すと、博士は
枕元のコップに水をなみなみと注いで、 「さらば、愛するオクサンよ!」 と云うな....
「火星兵団」より 著者:海野十三
そう言ったので、皆は元の隣の部屋にうつった。新田先生も、それについて、千蔵の
枕元から去ったが、先生は、
「はてな」
と言って、じっと腕ぐみをして、考えこん....
「怪塔王」より 著者:海野十三
って病院に急ぎました。 「ああ兄ちゃん」 とミチ子が病室へかけこむなり、一彦の
枕元にかけつければ、一彦は思いのほか元気な顔をもたげて、 「おおミチ子、よく来て....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
人|摺違いに出て行くと、お千さんはパッと障子を開けた。が、もう床が取ってある……
枕元の火鉢に、はかり炭を継いで、目の破れた金網を斜に載せて、お千さんが懐紙であお....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
した。私はすぐ耳元に近づいて、『私でございます……』と申しましたが、人間同志で、
枕元で呼びかわすのとは異い、何やらそこに一重隔てがあるようで、果してこちらの意思....
「春」より 著者:岡本かの子
加奈子は無理に引きさがらしたあと、京子の開け放して出た窓の戸をしめて、また京子の
枕元に一人坐った。平常、少し赫味を帯びて柔く額に振りかかっている京子の髪の毛が、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
を動かす。 電扇送経。 (扇風器が風を送り夢より見覚めさせ、夜もふけて何の響きか
枕元にきこえてくる。その響きはあるいは壁のむこうで蜂の群れが飛ぶ音かと思い、また....