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「枕屏風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

枕屏風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
女はちょっと眼をふきながら、半七を内へ招じ入れた。どこで借りて来たのか、小綺麗な枕屏風《まくらびょうぶ》が北に立てまわされて、そこには徳次郎の死骸が横たえてあっ....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
にはけれどもここばかりは拗者の本性を現わした箱根山が、どこから吹き寄せたか薄霧の枕屏風を立てこめて、黒い姿を隠したまま夕暗の中へ陥ちこんで行く。やがて山荘の窓に....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
第八章 一 母刀自の枕屏風に いやしきもたかきもなべて夢の世をうら安くこそ過ぐべかりけれ 花紅葉あは....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
てありますから、あれも佐兵衛のところへ持って行ってみて下さい。あの色紙は、茶屋の枕屏風に張ってあったものですが、私はもてない腹いせに、ひっぱがして家へ持って帰っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
して帰るのです。帰り来ると、がっかりして、囲炉裏《いろり》の傍に座を構えながら、枕屏風《まくらびょうぶ》を横目に睨んで、 「ちぇッ」 舌を鳴らして額の皺《しわ....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
女の図を、日本的に翻訳して描いて見るとかなり困った図が出来上るのだ、即ち煙草盆、枕屏風、船底枕、夜着赤い友染、などといったものが現われて来るのだ、そして裸の女が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。兵馬はそれに答えないで、自分の手にある小提灯をつきつけて見ると、女が一人、枕屏風《まくらびょうぶ》の蔭にふとんから起きかかっている。そのほかには誰もいない....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
出し抜かれた魔物なんだから、お雪ちゃんなんぞ一たまりもあるもんかよ」 あちらの枕屏風の外から、中を見透すようにして米友がこう言いました。 この屏風の向うに、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
三味線を取って唄《うた》に落ちて行きました。 いとし殿さんの矢帆《やほ》巻く姿枕屏風《まくらびょうぶ》の絵に欲しや 「三国の女はとりわけ情が深くって、旅の人....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
そうしてはね起きて、手さぐりで燧《ひうち》を取って行燈《あんどん》をつけ、例の枕屏風《まくらびょうぶ》の中をのぞいて見ると、そこに人がおりません。 「ちぇッ、....
高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
『高尾ざんげ』を清香は弾きだしました。 「はや持来ぬと……あすこからでいいわ。」枕屏風を塚に見立てて、菊千代は高尾の霊になりました。するりとはいりこむことが出来....
剣侠」より 著者:国枝史郎
の跡のある茶色の襖。裏座敷は薄暗く貧しそうであった。 江戸土産の錦絵を張った、枕屏風を横に立てて、褥の上に坐っているのは、蒼い頬、削けた顎、こればかりは熱を持....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
つア恐れ入った」 なるほど、お袋のいった通り、次の間の六畳の座敷に、二枚|折の枕屏風にかこまれて、薩摩焼の置物をころがしたように、ずしりと体を横たえたのが、亀....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
をかけた七輪の下を煽ぎながら、大入だの、暦だの、姉さんだのを張交ぜにした二枚折の枕屏風の中を横から振向いて覗き込み、 「姉や、気分はどうじゃの、少し何かが解って....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
緋縮緬、緋鹿子というんだと引立つんですけれどもね、半襟の引きはぎなんぞ短冊形に、枕屏風の張交ぜじゃあお座がさめるわね。」 と擦るように袖を撫でた。その透切した....