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果して
「果して〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
果しての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
のでございます。と申しますのは、あの大地震《おおじしん》の時私が妻を殺したのは、
果して已《や》むを得なかったのだろうか。――もう一層露骨に申しますと、私は妻を殺....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
嗅《か》ぎつけた。そこで彼等は好奇心に駆られて、注意深く彼を監視し始めた。すると
果して吉助は、朝夕《あさゆう》一度ずつ、額に十字を劃して、祈祷を捧げる事を発見し....
「影」より 著者:芥川竜之介
房子はとうとう思い切って、怖《こ》わ怖《ご》わ後《うしろ》を振り返って見た。が、
果して寝室の中には、飼《か》い馴《な》れた三毛猫の姿さえ見えない。やはり人がいる....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
うような彼の言《ことば》が、刹那の間《あいだ》私の耳に面白くない響を伝えたのは、
果して私の気のせいばかりだったでしょうか。いや、この時半ば怨ずる如く、斜《ななめ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
この今の関係にはいってしまった。では今は？ 己は改めて己自身に問いかけよう。己は
果して袈裟を愛しているだろうか。
が、その答をする前に、己はまだ一通り、嫌《い....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
咄嗟《とっさ》に、戦争に関係した奇抜な逸話を予想しながら、その紙面へ眼をやると、
果してそこには、日本の新聞口調に直すとこんな記事が、四角な字ばかりで物々しく掲《....
「女体」より 著者:芥川竜之介
山の姿を眺めた。が、その山が彼の細君の乳の一つだと云う事を知った時に、彼の驚きは
果してどれくらいだった事であろう。彼は、愛も憎《にくし》みも、乃至《ないし》また....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
が、彼のした行為のあらゆる結果に、責任を持つ気でいた訳ではない。彼等が復讐の挙を
果して以来、江戸中に仇討が流行した所で、それはもとより彼の良心と風馬牛《ふうばぎ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
山のような白頭の肥大漢と、――ああその堂々たる相貌に、南洲先生の風骨を認めたのは
果して自分の見ちがいであったろうか。あすこの電燈は、気のせいか、ここよりも明くな....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
、どの位信用出来るかと云うことはおのずから又別問題である。
「新生」読後
果して「新生」はあったであろうか？
トルストイ
ビュルコフのトルスト....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
つ》な予感に襲われながら、慌《あわただ》しく佐渡守の屋敷へ参候した。
すると、
果して、修理が佐渡守に無礼の振舞があったと云う話である。――今日出仕を終ってから....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
芸もするか知れず、それとても湯浅少佐《ゆあさしょうさ》あたりが乗るのでなければ、
果して馬自身でやり了《おお》せるかどうか、疑問に思われます」と言うのである。わた....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
拾い上げながらそっと隠した懐中電燈を出して、まん円な光に照らして見ました。すると
果して紙切れの上には、妙子が書いたのに違いない、消えそうな鉛筆の跡があります。 ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
元よりの東京人にてある年越後へ稼ぎに来りしが病に罹りて九死一生となり、路用も遣い
果して難渋窮まりしを伯父が救いて全快させしうえ路用を与えて帰京させたれば、これを....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
工とその女房はただ泣くばかりだった。 そうこうするうちに、持っていた路銀も費い
果してしまった。そこで夫婦は農家や旅籠屋で日雇取りをして、一番賤しい仕事をあてが....