果せる哉[語句情報] » 果せる哉

「果せる哉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

果せる哉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
れまいけれど、英国の読書家には非常に歓迎せられるだろうと、余は此の様に思ったが、果せる哉是より数日を経て評論雑誌に此の書の評が出て、甚く著者の才筆を褒め、猶此の....
婦系図」より 著者:泉鏡花
のを珍らしそうに。 「ははあ、じゃ何か、妙と、河野英吉との相性を検べたのかい。」果せる哉、礼之進が運動で、先生は早や平家の公達を御存じ、と主税は、折柄も、我身も....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
か一と騒動初まらねばよいがと、仲居、芸妓連中が心も空にサービスをやっているうちに果せる哉始まった。 合の隔ての襖が一斉に、どちらからともなく蹴開かれて、敷居越....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
て薙刀など与えて旅人をあやめる稽古をさせ、天を恐れぬ悪業、その行末もおそろしく、果せる哉、春枝十八お夏十六の冬に、父の山賊に天罰下り、雪崩の下敷になって五体の骨....
春昼」より 著者:泉鏡花
ればとて、いやしくも主ある婦人に、そういう不料簡を出すべき仁でないと思いました、果せる哉。 冷奴に紫蘇の実、白瓜の香の物で、私と取膳の飯を上ると、帯を緊め直し....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
しい良妻賢母主義、即ち妻の身分上の独立に基く良妻賢母主義を提唱した。処が、それが果せる哉、多分にもれず家族主義的現代常識の所有者の集りである府会で問題になったと....
社会時評」より 著者:戸坂潤
けあって、峻厳な英断を敢行するものだな、と感心したものである。 〔66字削除〕果せる哉、軍検察当局は重刑を以て臨むというような意向を洩していたのである。 こ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《じづら》そのものだけで、まだたしかに有司を嫌悪《けんお》せしめるの価値がある。果せる哉《かな》。この宣伝ビラの「切支丹」の文字だけに、翌日から張紙がされて、そ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の来るところのものを全部、隊長と同様の運命に会わせようとするのもくろみであった。果せる哉《かな》、変を聞いた御陵衛士隊勇士の一連は、甘んじてその網にひっかかりに....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
甚三郎は、そう思ったから、現場を見届けるために橋の上まで来て、提灯を差し出すと、果せる哉《かな》、橋の欄干にしがみついている一個の人影を認めることができました。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころへひっかかってしまうかわからない。それをあぶながっているものらしくあります。果せる哉《かな》、この平さんは百両の富が当った嬉しまぎれに、友達を無暗に引っぱっ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
が、細君は蚊帳の中を動かずにいたのである。 「貴郎、」 とこの時、細君の声は、果せる哉、太く震えて、 「貴郎……」 「うむ、」 小松原も蚊帳の中に悚然として....
わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
い相談で、もし本人がそれを信じてゐるとすれば益々自分の力量を知らない食はせ者だ。果せる哉、この男は途中十二哩佐渡行の汽船にのり、どういふ量見だか佐渡の手前で又海....
魔都」より 著者:久生十蘭
って仕様がない。当人にはそれ相当の抱負があってのことと思われるが、卒業して見ると果せる哉、就職口などはない。しばらく北海道の奥で小学校の先生をしていたが、その後....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
読んだ時、誰が書いたか知らぬがツマラヌ事を書いたもんだと窃に鴎外の誤解を恐れた。果せる哉、鴎外は必定私が自己吹聴のため、ことさらに他人の短と自家の長とを対比して....