果つ[語句情報] » 果つ

「果つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

果つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
で、もう一度彼女の正体を確かに見とどけたいと思った。 「きょうの法会はなんどきに果つるかのう」と、彼は独りごとのように言った。 「申《さる》の刻じゃと聞いている....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
存じた洞門でござるが、十九年の歳月を費やして、九分までは竣工いたした。了海、身を果つとも、もはや年を重ねずして成り申そう。御身の手にかかり、この洞門の入口に血を....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
は、二十歳という今日の今まで、夫もさだめずに過したは、あたら一生を草の家に、住み果つまいと思えばこそじゃ。職人|風情の妻となって、満足して暮すおまえらに、わたし....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
の実験室に引きこもった。 複雑な装置を働かせ、めんどうな分析をつづけていった結果ついに博士たちは、予定していた以上の収穫を得た。 ちょうど、正吉が、その部屋....
什器破壊業事件」より 著者:海野十三
その代り、他の雇人隊が、口を揃えて光枝の不始末を叱りつけ、があがあぶつぶつはいつ果つとも見えなかった。するとまた、奥の方からずしんずしんどんどんと、旦那様の豪快....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
提げて附添い出で、一人々々、廻廊の廂に架け、そのまま引返す。燈籠を侍女等の差置き果つるまでに、女房は、美女をその上段、紅き枝珊瑚の椅子まで導く順にてありたし。女....
火薬船」より 著者:海野十三
、なんといって言い現わしたらいいであろうか。爆発はまた新たなる爆発を生んで、いつ果つべしとも分らない。 火災だ! サイゴンの街に火がうつってもえだした。 「あ....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
を、老媼もお通に言出しかねて一日免れに猶予しが、厳しく乞食僧に催促されて、謂わで果つべきことならねば、止むことを得で取次たるなり。しかるにお通は予めその趣を心得....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
郎と相抱き、互に顔をも見ざりしに、意中の人は捕縛されつ。 その時既に精神的絶え果つべかりし玉の緒を、医療の手にて取留められ、活くるともなく、死すにもあらで、や....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
来ると、太陽は下りてしまい、だんだん世の中が変になって来た。彼は一々想い廻した結果ついに悟るところがあった。その原因はつまり自分の裸にあるので、彼は破れ袷がまだ....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
平家は最期まで勇ましゅう闘うたぞ。打物は折れ、矢種はつき、船はくだけ、人は沈んで果つるまで、一|人も卑怯に降参するものなく、口々にかたきを呪うて死んだ。(恨みの....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
じゃ。まことを言えば、お身たちは蜘蛛の巣にかかった蝶や蜻蛉も同じことで、こうなり果つるはしょせん逃がれぬ運と諦められい。われらはお身達を殺そうとこそすれ、決して....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
んな事はない。 で冬の間はいつも枯れた景色ばかりを見て居るので、人目も草も枯れ果つるばかりでなく心までいかにも生気がないような塩梅に、その楽しみがなくなってし....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
たかといえば、それはもちろん定家によったのである。常縁に向っても「我は定家宗にて果つべき上は」云々といっており、また有名な言葉だが、「仰於叶るまでも定家の風骨を....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
力によって屈し得る戦に真の決戦戦争はあり得ない。かるが故に革命後の統一戦争が何時果つべしとも見えなかったのは自然である。私どもは元来民国革命に依り支那の復興を衷....