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「果て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

果ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
申さず、明日《あす》が日にも諸天童子の現罰を蒙って、白癩《びゃくらい》の身となり果てるぞよ。」と、叱りつけたではございませんか。この勢いに気を呑まれて、私は元よ....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
んな臆測を代り代り逞《たくまし》くしながら、彼と釣りに行く約束があった事さえ忘れ果てて、かれこれ半月ばかりの間というものは、手紙こそ時には書きましたが、あれほど....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
そら恐しい。今までの己が一夜の中《うち》に失われて、明日《あす》からは人殺になり果てるのだと思うと、こうしていても、体が震えて来る。この両の手が血で赤くなった時....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
ながら、祖母の枕もとに坐っていましたが、隠居は精根《せいこん》も尽きるほど、疲れ果てていたと見えて、まるで死んだ人のように、すぐに寝入ってしまったとか云う事です....
」より 著者:芥川竜之介
のは、あの白い広間のまん中に、食さえ断《た》って横《よこた》わっている、今は老い果てた母蜘蛛であった。蜘蛛は糸の敷物の下に、いつの間にか蠢《うごめ》き出した、新....
おしの」より 著者:芥川竜之介
たとい磔木《はりき》にかけられたにせよ、かごとがましい声を出すとは見下《みさ》げ果てたやつでございます。そう云う臆病《おくびょう》ものを崇《あが》める宗旨《しゅ....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
ると、楽みにしていた張氏の家というのは、なるほど構えは広そうですが、いかにも荒れ果てているのです。墻《かき》には蔦《つた》が絡《から》んでいるし、庭には草が茂っ....
狂女」より 著者:秋田滋
そして僕は窓から彼等の歩いてゆく姿を眺めていた。 普魯西兵の列は、蜿蜒として、果てしもなく続いた。どれを見てもみな同じように、例の普魯西の兵隊独特の操り人形よ....
」より 著者:秋田滋
、地下に埋められた棺の底で腐ってゆくことを考えたのであります。肉体はこうして朽ち果ててしまう。しかして、その魂や思いはどこへ行ってしまうのでありましょうか。 (....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
を傍らに置いて書き綴った手記である。私はこれを極めて興味あるものだと思う。絶望の果てに決行されるこうした行為の裏面に、世間の人が極って探し求めるような大きな破綻....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
夕方に行った。新しく来た動物を見たり、猿がいろいろないたずらをするのを見て喜び、果ては涙ぐむことさえもある。 また金曜日の夕方に挨拶し、友人が来ると、「よくお....
寡婦」より 著者:秋田滋
の最後の男のものなのです。その男は、十三の年に、私のことがもとで、自ら命をたって果てたのです。変なことだとお考えになるでしょうね。 まったく、一風変った人たち....
親ごころ」より 著者:秋田滋
の村の名も忘れてしまっているに違いない。我が子にめぐり会えるという望みもはや絶え果てて、車大工とその女房はただ泣くばかりだった。 そうこうするうちに、持ってい....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
連想する程で、久作さんの『宙を飛ぶパラソル』はこのあたりでの出来ごとである――の果て近くまで論じ来り、遂いに淋しい松根に御輿をすえてしまい、秋月すでに帰り、太陽....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
前もさぞ驚くだろうが、ちょっとした殿のお誤りから、あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない破目に立到ったのを、色々苦心の末に、この山奥にお捨て申....