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果樹
「果樹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
果樹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みちのく」より 著者:岡本かの子
F――町は南の山から風が北海に吹《ふ》き抜《ぬ》けるので熱気の割合に涼しかった。
果樹園や畑の見えるだらだら下りの裾野平《すそのだいら》の果《はて》に、小唄《こう....
「三十年後の東京」より 著者:海野十三
たのは、食糧だった。 「ああ、そうそう」と正吉はいった。 「ねえ区長さん。田畑や
果樹園はどうなっているのですか。地上を攻撃されるおそれがあるんなら、地上でおちお....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
きっと、あなたにお目にかけますが、あの家の背後へ行ってごらんなさい。小さいながら
果樹園もあれば、羊を飼う柵も出来ています。野鳥が来て、自由に巣が造れる巣箱、あれ....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
だった。 「ああ、そうそう」と、正吉はいった。 「ねえ区長さん。田畑《たはた》や
果樹園《かじゅえん》はどうなっているのですか。地上を攻撃されるおそれがあるんなら....
「死者の書」より 著者:折口信夫
|火焼き屋なども、下人の住いに近く、立っている。苑と言われる菜畠や、ちょっとした
果樹園らしいものが、女部屋の窓から見える、唯一の景色であった。 武智麻呂|存生の....
「火の扉」より 著者:岸田国士
市ノ瀬牧人は、全村の麦の育ち加減をみて歩くかたわら、冬の肥料のおそろしく不足した
果樹にもひととおり注意して、ことしは虫の駆除を徹底的にやらねばと考えた。 野良....
「光は影を」より 著者:岸田国士
自動車会社の顧問をしてござるというんだ。田舎にまだかなりの土地もあり、甥の名義で
果樹園をやつているというから、どんなことをしたつて、食いはぐれはない。まあ、それ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
な小麦や、ライ麦や、蕎麦や、玉蜀黍の畑を見わたし、赤い実が枝もたわわになっている
果樹園を見、それにかこまれたヴァン・タッセルの暖かい家を見ていた。すると、彼の心....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
で実は罪悪ばかりの素材で作り上げたこの市に寺のあるのが彼には一寸おかしかった。)
果樹園に取巻かれて、土の赤肌をポカンと開けて居るポロ競技場もかすかに見える。眼の....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
った。長男は十四歳で次の女の子は十二歳のはずだった。彼らは全く野獣化して、他家の
果樹へよじ登ったり、畑のものを失敬したりして生きていた。親戚で引き取っても三日と....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
※咀逡巡する今の政治家には見られない。例えば先祖から持ち伝えた山を拓いて新らしい
果樹園を造ろうとしたようなもので、その策は必ずしも無謀浅慮ではなかったが、ただ短....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
していた。一度もまだはいって行ってみたことのない村の、黝んだ茅屋根は、若葉の出た
果樹や杉の樹間に隠見している。前の杉山では杜鵑や鶯が啼き交わしている。 ふと下....
「料理の第一歩」より 著者:北大路魯山人
いったりんごをかじった。 その男の頭が、少しふくれたようだ。 「そうだそうだ、
果樹園を作ろう。新鮮なくだものを木からとってすぐ食べることはすばらしいぞ」 で....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
と。彼らは、きまって自分の家の周りに、一番手近かに飲食料の貯蔵所、家畜、野菜畑、
果樹園を置き、次に穀物畑、葡萄畑、次に牧場、最後に小さな灌木の密林(野鳥獣を棲息....
「おけらになった話」より 著者:小川未明
。そのかわりに、つつましやかな謙遜の心を与えられた。おけらは、どこか、野菜畑か、
果樹園のすみに、あまり世間に知られずにすむ、自分の小さな穴を掘ってはいるために、....