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「果然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

果然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
なすった時の事を考えると、私は涙で胸が張り裂けるようでございます」と書いてある。果然お君さんはほとんど徹夜をして、浪子夫人《なみこふじん》に与うべき慰問の手紙を....
秋山図」より 著者:芥川竜之介
王氏同様、翁がこの図を眺める容子《ようす》に、注意深い眼を注いでいました。すると果然《かぜん》翁の顔も、みるみる曇ったではありませんか。 しばらく沈黙が続いた....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
僕は幸いあたりに人のいないのを見澄すと、胸を躍らせて鉄格子の扉に近づいた。――果然今夜も鉄格子には錠が下りていなかった。 「しめた」 僕は鉄格子に手をかける....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
のある大阪方面では、空襲から脱れたので、解除警報を出したことなどを報告して来た。果然、マニラ飛行第四聯隊の目標は、帝都の空にあったのだった。 東京警備司令部内....
間諜座事件」より 著者:海野十三
すと、弦吾はポケットから薬壜を出し、真黄な液体をポトリポトリとその上にたらした。果然、見る見る裡に蟻の匍っているような小文字が、べた一面に浮び出た。 本部から....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
屍体の口腔を開かせ、その中に手をグッとさし入れると咽喉の方まで探ぐってみたのが、果然手懸りがあって、耳飾の宝石が出てきた。実は蝋山教授を煩わして食道や気管を切開....
海底大陸」より 著者:海野十三
も遭遇せず。ついに船影すらもみとめざりき。海上は風やや強きも難航の程度にあらず」果然、ルゾン号は、クイーン・メリー号と、たしかにすれちがうはずだったのに、船影さ....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
って来た。川北老が代表者となって折衝《せっしょう》の任に就《つ》くものと見えた。果然彼は発言した。 「とりあえずわしら留守番の者が相談ぶったんですが、その大金は....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
ょう。戦いの運はもう凶のうちの大凶です。 鬼影を見る 「呀ッ、出て来たッ」果然、モーニング・コートを着て、下には婦人のスカートを履いた奴が、室の入口からフ....
火葬国風景」より 著者:海野十三
が何にも触れない。こんどは腰をすこし浮かしてみた。そして手首をまた動かしてみた。果然なにか手先に触れた。 ゴトン、ゴトン。 (あッ、――上も板だ) 横も板、....
暗号数字」より 著者:海野十三
線灯をさしつけた。 「呀っ、なるほど!」 帆村はかねて期したるところとはいえ、果然発展してゆく秘密数字の謎が秘密ペイントで書かれてあるのを発見して、愕きをかく....
キド効果」より 著者:海野十三
へ今の惨事が発生したこと、これだけあれば車掌たちの執るべき手段は至極明瞭だった。果然、列車が興安駅に著くか著かない裡に、早くも警備軍の一隊がドヤドヤと車内に乱入....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
環視の中でさえも綢繆纏綿するのを苦笑して窃かに沼南の名誉のため危むものもあった。果然、沼南が外遊の途に上ってマダ半年と経たない中に余り面白くない噂がポツポツ聞え....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
ぶべき時、自分が一世一代の飛躍を試むべき時だ」と畑水練の気焔を良く挙げたもんだ。果然革命は欧洲戦を導火線として突然爆発した。が、誰も多少予想していないじゃないが....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
突。最高峰の南に位するゆえ、南穂高岳と命名した。 先刻より気づこうていた霧は、果然包囲攻撃してくる、まるで手のつけようはない、打っても突ついても、音もなければ....