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「枯らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

枯らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仮装観桜会」より 著者:佐左木俊郎
張していくとき、人工的ないかなる力もそれを抑えることはできない。もし、一つの蕾を枯らすことなくそのままの大きさに止《とど》めておくことができたら、それは魔術であ....
薤露行」より 著者:夏目漱石
名を聞きてさえ躍《おど》るを。話しの種の思う坪に生《は》えたるを、寒き息にて吹き枯らすは口惜し。ギニヴィアはまた口を開く。 「後《おく》れて行くものは後れて帰る....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ず島あり、女人国と名づく、女のみ住んで善く弓矢を用ゆ、射るに便せんとて右の乳房を枯らす(古ギリシア女人国話の引き写しだ)、毎年某の月に日本より商船渡り、まず二人....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
息は煙を渦巻く。悲歎の涙は、硫黄を流して草を爛らす。長い袖は、腥い風を起して樹を枯らす。悶ゆる膚は鱗を鳴してのたうち蜿る。ふと、肉身のものの目に、その丈より長い....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のは、水戸以上のものはない。 水戸は徳川の一家でありながら、最初から徳川の根を枯らすことばかりやっている。そうして大向うからは人気を取っている。 神尾主膳が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、陰気が強くなります。陰気というのは、つまりけがれのことで、けがれは、つまり気を枯らす気枯《けが》れということでござってな、お天道様の御陽光が消えると、けがれが....
スパーク」より 著者:寺田寅彦
る。少しくらい雑草も生えても、いい木はやはり自然に延びる。下手な植木屋が良い木を枯らす。 科学者が利口になると科学は進歩を中止する。科学者はみんな永久に馬鹿で....
西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
ぎ出、ともし火かすかになりて消」ゆる手品の種明かし、樹皮下に肉桂を注射して立木を枯らす法などもある。 こういう種類の資料は勿論馬琴にもあり近松でさえ無くはない....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
れ、この霊感の人相判断。ジッと見て、石松の相に立ち枯れる若木の相があって身を食い枯らす悪虫が這っていると見てとったから、金を貸してやらなかった。オレに貸せという....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
すことが出来ず、自分自身の裨益にも自分自身の幸福にもすることが出来ず、自分の身を枯らす害虫に気づいていながら、それにわが身を蝕むにまかせて諦めている男、その昇る....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
るというのに、おまえが幸福でいてよいものかね? おまえは、おれのそのほかの情熱を枯らすことができるとしても、復讐心だけは残るよ――これからは光や食べものよりもた....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
。宿り木は、執拗《しつよう》にまつわりついて、ときとして、大木の精分を吸いとって枯らすことさえあるのである。 惣七が、こんなことを考えたのは、ほんの一瞬だ。磯....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
上はやはり余り信仰しなかった。「科学者というものは枝ぶりや花ばかりを気にして根を枯らすを忘れる素人植木屋のようなものだ、」といっていた。 呉秀三博士の『精神啓....
おじいさんが捨てたら」より 著者:小川未明
と、まゆをひそめて枝などを折ってしらべていましたが、 「この木が助かるものなら、枯らすのはかわいそうです。」と答えました。 おかみさんは、ただ笑って、だまって....
港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
老人にあやまったのです、すると老人は、 (若旦那が判ってくだされるなら、この木を枯らすも可哀そうですから、活かしましょう) と云って、この手を横に二三度動かす....