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枯骨
「枯骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
枯骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ら女詩人の藤村女史とロマネスクの休亭に来ていた。二人の女は熱心に話し合っている。
枯骨瓢々となった復一も、さすがに彼女等が何を話すか探りたかった。夕方近くあかこを....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
能なのではあるまいか。寂寞の姿と無々の眼と――。 何の生もない何の情緒もない、
枯骨と灰石の対面ではあるが、いのちというものは不思議な経路を取って、その死灰の世....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
な牽糸傀儡《あやつりにんぎょう》を働かせ、芸術家らしく乙に澄ますのなぞは、地下の
枯骨に気の毒で出来ない。おおよそは何かしらに拠って、手製の万八《まんぱち》を無遠....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
愛想に、道の対う側を花畑にしていたものかも知れない。流転のあとと、栄花の夢、軒は
枯骨のごとく朽ちて、牡丹の膚は鮮紅である。 古蓑が案山子になれば、茶店の骸骨も....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んだわけではない。実はその持主が烈しくそれを投げ出したものだから、その勢いだけで
枯骨が躍って天上に舞い上っただけのものです。 然《しか》らば、持主は何故に、今....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
古にかをる。明治の世になりて、宗祐は正四位を贈られ、宗政は従四位を贈らる。地下の
枯骨、茲に聖恩に沽へる也。 二 筑波登山 路傍の草中に、蛙の悲鳴するを聞く。蛇....
「中支遊記」より 著者:上村松園
処に立った時には、激戦当時を想像させる身の気のよだつようなものがあり、あたりには
枯骨も見えたということであった。なかには絵に描かれているような髑髏がそこはかとな....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
(欧州を蹂躙して武の勢威をふるい、露の野に一敗して事ごとに差違が生じた。ひとり
枯骨万人の恨みをもって、絶海の潮風に血によごれた衣をさらしたのである。) 二十....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
わしい笛の上手な佳人が来て、朝夕の世話やら、茶や花や和歌の相手やら、とかくに寒巌
枯骨になりやすい草庵に、一輪の花をそえている。その女性は、和尚の郷国とはすぐ近い....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の酔客様は、途中でこんにゃくのようになって、妓たちを手古ずらせていたが、その寒巌
枯骨ともいえるような細ッこい老躯の中には、なかなか利かない気性が潜んでいるらしく....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
もの間この山牢に生きて、たださえ痩せ衰えていたかれは、血筆をもち初めてから一層|
枯骨をむきだして、幽鬼のようになっていた。一|行に精をきらし、半行に血が出なくな....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
遁し難い。 後年の彼の流浪性は、そこに宿命していると思う。晩年、岩殿山霊巌洞に
枯骨を運んで、坐禅しながら死を待つあの寥々とした終焉の身辺も、この家庭から生んだ....
「増長天王」より 著者:吉川英治
つか、あいつが。だめだだめだ若い奴らは、五年もこの山に棲むとカサカサになって寒巌
枯骨のていたらくだ、陶土に脂も艶気もなくなってくる。そんな野郎は茶人相手の柿右衛....
「山の人生」より 著者:柳田国男
色に別段の光があって、身長の異常とともに、それが一つの畏怖の種らしかった。地下の
枯骨ばかりから古代人を想定しようとする人々に、ぜひとも知らせておきたい山人の特質....