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「架空〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

架空の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
いた、鼻の高い紅毛人《こうもうじん》は、黄昏《たそがれ》の光の漂《ただよ》った、架空《かくう》の月桂《げっけい》や薔薇の中から、一双の屏風《びょうぶ》へ帰って行....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
そう》の気だった。しかし旭窓《きょくそう》だの夢窓《むそう》だのと云うのは全然|架空《かくう》の人物らしかった。そう云えば確《たし》か講釈師に南窓《なんそう》と....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
である。 弱者とは友人を恐れぬ代りに、敵を恐れるものである。この故に又至る処に架空の敵ばかり発見するものである。 S・Mの智慧 これは友人S・Mの....
深夜の市長」より 著者:海野十三
れ、銀色に光る四条のレールが象眼されていた。頭の上をみると手の届きそうなところに架空線がブラブラしているし、大通りの両側のポールにはまるで大宮殿の廊下のように同....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
た。それから、探求を進めてゆくと、雑音の原因は、家の前を通る列車の電気機関車が、架空線に接触するところで、小さい火花を生ずるためで、殊に大きい雑音は、架空線の継....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
、煤色の夜霧のなかに、ブルブル震えながら立ち並んでいた。ずっと向うの十字路には、架空式の強い燭力の電灯が一つ、消しわすれたように點いていて、そのまわりだけを氷山....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
を焦った。 市内電車は、路面に停車し、車内の電灯は真暗に消されていた。これは、架空線とポールとが触れるところから、青い火花が出て、それが敵機に発見される虞れが....
河明り」より 著者:岡本かの子
来たという伝説が附ものになっていましょう。その竜宮を、或は錫蘭島だといい、いや、架空の表現なのだとか、いろいろ議論がありますものの、大体北方の哲学の胚種が、後世....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
駄目だという風にかぶりをふり、 「私はお断りいたします。化物探検などというそんな架空な、そして不真面目なことをやるのはいやです」 青年は、きっぱりと大佐の頼み....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
を採り。霊告による祠の所在地、並に其の修行場などを実地に踏査する等、いよいよ其の架空的にあらざる事を確かめたる後、始めて之を雑誌に掲載せるものである。 霊界通....
歯車」より 著者:芥川竜之介
るらしかった。僕は機械的にしゃべっているうちにだんだん病的な破壊慾を感じ、堯舜を架空の人物にしたのは勿論、「春秋」の著者もずっと後の漢代の人だったことを話し出し....
科学時潮」より 著者:海野十三
地下鉄道の開通 上野、浅草間の地下鉄道が出来た。入って見ると随分明るくて温い。電車の車体は黄色に塗られ、架空線はないから随ってポールやパンタグラフは無い。皆レールのところから電気を取っ....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
時において、真実外国干渉の患あるを恐れてかかる処置に及びたりとすれば、独り自から架空の想像を逞うしてこれがために無益の挙動を演じたるものというの外なけれども、勝....
」より 著者:岡本かの子
こうなると消化不良になり、食慾をまるで無くしながら、目星だの、まだ時々途方もない架空の妄想を追いかけて一週間も十日間も、殆ど呑まず喰ずだ。それでも割合に痩せも窶....
妖怪報告」より 著者:井上円了
、夢に神託を受け、婦妻の遠征の良人を追慕し、夢の情感によりて妊孕せし等、おおむね架空の談柄たるに過ぎず。これ、自ら欺き人を欺き、夢を利用し、自らためにするところ....