染井[語句情報] »
染井
「染井〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
染井の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ふもれすく」より 著者:辻潤
も熊襲の血脈をひいている九州の野性的な女の方が遙かに好適であった。 僕はその頃
染井に住んでいた。僕は少年の時分から
染井が好きだったので、一度住んでみたいとかね....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は――などと、あなた方の前で物識りぶるわけではありませんが、文化九年の秋、巣鴨の
染井の植木屋で菊人形を作り出したのが始まりで、それが大当りを取ったので、それを真....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
をせめて一日でも有効に使い度いと思って珍らしくも、私の先輩にあたる須永助教授を、
染井の家に訪うために、少し遅い朝飯をしまうと、東中野駅の方へブラブラと歩いて行き....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
そうして花の散り終わるまでにはもう大きな葉がいっぱいに密集してしまう。 桜でも
染井吉野のように花が咲いてしまってから葉の出るような種類が開花のさきがけをして、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
輪の珍花よりも、舞鶴、千代の里、白楽天などの銘花よりも、歌舞伎好みが百人向きで、
染井の植木屋が折角の骨おりも何の役に立たず、花の君子なるものと賞された菊も、徒に....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
けませんし、ちょうど白山に懇意なものが居りまして、あちらの方はあの団子坂の方から
染井や王子へ行く人で人通りも有りますし……それに店賃も安いと申すことでございます....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て参りません、因業《いんごう》なやつでございますねえ」 六 その後暫くあって、
染井の藤堂《とうどう》の屋敷と、
染井稲荷《そめいいなり》との間にある旗本の屋敷の....
「さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
髪の毛に附着して、そうして電車の中に運ばれたであろうかという問題を出した。Y君は
染井の墓地からという説を出した。私は吉祥寺ではないかとも云ってみた。 この婦人....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
たらしくも思われるが、しかしやはり身体にはこたえたではないかと思われる。 墓は
染井の墓地にある。戒名は真徹院釈恭篤居士である。 (以上は匆卒の間に筆をとった....
「山の春」より 著者:高村光太郎
ンク色にぽうっと山の中腹に目立つようになると、もう三月春分の日は過ぎる。小学校の
染井吉野は二三日間にせっかちに咲きそろい、リンゴ畑も、梨畑も、青白くすでに満開に....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
似合わしい終焉であった。 遺骨が新橋に帰着したは五月三十日で、越えて三日葬儀は
染井墓地の信照庵に営まれた。会葬するもの数百人。権門富貴の最後の儀式を飾る金冠|....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
取払いになるんだとさ。それでね、死んだお父《とっ》つァんのお墓を谷中《やなか》か
染井《そめい》か何処《どこ》かへ移さなくっちゃならないんだってね、四、五日前にお....
「落日の光景」より 著者:外村繁
日が当っていた。 四 私は仕事のため、数日、妻を見舞わなかった。その間、門前の
染井吉野は既に満開を過ぎた。私はそんな桜の花を見上げながら、落花を踏んでわが家を....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
りもむしろ禿だった。)この寺は――慈眼寺という日蓮宗の寺は、震災よりも何年か前に
染井の墓地のあたりに移転している。かれ等の墓も寺と一しょに定めし同じ土地に移転し....
「春の大方山」より 著者:木暮理太郎
神社に参詣する。夏ならば賑かであろうが、今は広い境内に人影も無い。鳥居をくぐると
染井吉野や枝垂桜の交った一町余りの桜並木が八分の開花を見せて、稍紅の濃い葩からは....