染模様[語句情報] »
染模様
「染模様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
染模様の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
る上に胡坐《あぐら》をかいた。そうしてそこに燦爛《さんらん》と取り乱された濃い友
染模様《ゆうぜんもよう》の色を見守った。
すぐ玄関から取って返したお延の手には....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
。供廻り衆の行装亦数奇を極め、緋縮緬、紅繻子等の火打をさげ、大名縞又は浪に千鳥の
染模様の衣服にて華美をつくしたり。 遊芸音曲の類を公許し、享保十六年には、橘町....
「黴」より 著者:徳田秋声
のかかった縁の檐に、岐阜提灯などが点されて、青い竹の垣根際には萩の軟かい枝が、友
染模様のように撓んでいた。しばらく来ぬまに、庭の花園もすっかり手入れをされてあっ....
「祭日ならざる日々」より 著者:宮本百合子
たい心持がおさえがたいのである。 近頃のデパートの飾窓を眺めてみると、日本服の
染模様が実に近年にない飛躍をしていることに誰しも心づく。いずれも緑、黄、朱、赤、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ら蜘蛛がすっと下りそうで、天窓を窘めて、ぐるりと居直る……真中に据えた座蒲団の友
染模様が、桔梗があって薄がすらすら、地が萌黄の薄い処、戸外の猿ヶ馬場そっくりとい....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
…ええ、台所に――お、ちょっと。」 「いらっしゃいまし。」 すっと、そこへ、友
染模様が浮出たと見ると、店口の敷居へ、結綿島田が突伏した。 「やあ、これは、これ....
「御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
るのが暗いなかにもはっきりとした。右にも左にも灯のひかりのない堀端で、女の着物の
染模様などが判ろうはずがない。幽霊か妖怪か、いずれただ者ではあるまいと私は思った....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
びょうぶ》の山水または七福神の掛物の如き背景と相混同せしめて機智の妙を誇るあり。
染模様《そめもよう》には文字と絵画との区別を不明ならしめて一の図案となすものあり....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
語を以て為されなければなるまい。 然らば当今の女子、その身には窓掛に見るような
染模様の羽織を引掛け、髪は大黒頭巾《だいとくずきん》を冠《かぶ》ったような耳隠し....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
非常に立派な箕だとか、手の込んだ蓑だとか、形の面白い編笠だとか、または紺の麻布に
染模様のある馬の腹掛だとか、それは様々なものの陳列を見ます。この地方の風俗をそぞ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
た、そんなとこ。暑いのにさ。」 上って来たお雪はすぐ窓のある三畳の方へ行って、
染模様の剥《は》げたカーテンを片寄せ、「此方《こっち》へおいでよ。いい風だ。アラ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
また一段と下手になっていたらしいのである。萩芒というのは祝の日か何かで、そういう
染模様を着た女たちが、幾人も見物している風情を句にしたのかと思う。 ゆひに屋根....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
。姉様遊びの姉さまが新嫁の別名であったことは、あの顔より大きな髪飾り、紅の衣裳の
染模様を見てもわかるが、その花オカタが古いオカタと同居して、特に姉様と呼ばれて区....