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「柔さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

柔さの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
間にかそれは浜子に変って居り、看護服の浜子を感じたかと思うと、こんどは小鈴の肩の柔さだった。 一年たち、紀元節の大赦で二日早く刑を終えると読み上げられた時、泣....
放浪」より 著者:織田作之助
間にかそれは浜子に変って居り、看護婦服の浜子を感じたかと思うと、今度は小鈴の肩の柔さだった。 一年経ち、紀元節の大赦で二日早く刑を終えると読み上げられた時、泣....
夜の構図」より 著者:織田作之助
吉の手を取って、自分の胸に当てた。バンドをしていないので、胸のふくらみはたるんだ柔さだった。 火のような息を吐きながら、二人は絡み合ったまま倒れた。 伊都子....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
殆んど直線にグングン這い上った、霧はもう深林の中でのように、キュッというような、柔さしい※き方ではない、ヒューと呻って、耳朶を掠めて行くのだ、無論荒ッぽい風に伴....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て見給え。君を近藤に会わせたからとて、一味に懐柔しようということではない、また懐柔されるような相手でもなし、懐柔したところで結局、こっちが厄介者――ただ、世間の....
有島武郎の死によせて」より 著者:宮本百合子
しい、センチメンタリティー、甘さがあった。自分のような女性、若者にもなお且、その柔さで物足りなさを覚えさせるほどの。而も、彼には、人間として精進し、十善に達した....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
れませんが。やつれて、脚の不自由なこの男は、快活だのに、雰囲気にハムレット的な優柔さ動揺があるのは何と面白いでしょう、この人の輪廓は震動して居ります。彼の精神力....
千世子(三)」より 著者:宮本百合子
かに歌をつけた。 低いゆーらりゆーらりとした歌に千世子は涙をさそわれる様な心に柔さが出て来た。 ほんとうに好い曲ですね。 千世子は幾度も幾度も、繰返し....
無題(一)」より 著者:宮本百合子
た答よりあんまりあっけない答を聞いてがっかりした様に又目をつぶって胸に若い乙女の柔さ温さを包んだ胸に人の涙を誘うほど美くしい詩の書ける貴い頭をうずめました。しば....
芽生」より 著者:宮本百合子
よろこぶんでもなければ只肌の柔いからと云うだけでもないんです。 私は自分の肌の柔さ、色、きめ、そんなものから思いもよらない事を想像させられます。私は自分の声に....
食道楽」より 著者:村井弦斎
入れないと長く煮ますから詰まって塩からくなります。よく煮えると皮も身も同じような柔さになってどんなに美味しゅうございましょう。それを火から卸して一晩おいて明日か....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
浮かされて火のように赤く燃え上っております。今まで友達と思っていた鼻が、生前の温柔さにも似ず余りに無法な方言をするのに驚かされて、巻き添いを喰いはしまいかという....