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柱廊
「柱廊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柱廊の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
ンをして造営せしめた大伽藍(一八一一年竣工)で、優美な円頂閣やコリント式の豪華な
柱廊に結構をきわめている。 スパニエル――愛玩用の小形の尨犬。 北方の蜂――....
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
林が廻った。落日があらわれた。溪《たに》の音が遠くなった。年古《としふ》りた杉の
柱廊が続いた。冷たい山気が沁《し》みて来た。魔女の跨《またが》った箒《ほうき》の....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
たまれない様子で、いきなり立ち上った。そして、真直に母の前を横切り、内房に属する
柱廊に出た。 そこには、日増しに暖くなって来た四月のツランの日光が、底に快よく....
「道標」より 著者:宮本百合子
とを思いあわせた。それは、ベルリン事件から間のないある日のことで、美しい丘の上の
柱廊《コロネード》からはるかにウィーンの森を見はらしながら、素子が何心なくベルリ....
「南路」より 著者:宮本百合子
表している。有名な、カリフォルニア・バンガローはもちろん、堂々としたギリシァ風の
柱廊《ポルティコ》を張り出した二階建、ムーア式の華麗なアーチで装った家。到るとこ....
「旅愁」より 著者:横光利一
紀子は幕が降りたときこう云って矢代と桟敷を出た。顔を直したばかりの真紀子の匂いが
柱廊の光りの中でよく匂った。矢代は露台の欄干の傍に立って下の広いホールにゆらめく....
「映画雑感(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
制服の処女 評判の映画「制服の処女」を一見した。最初に、どこかの
柱廊前に並んだ、ものはなんだかわからないが、何かしら勇ましくたくましい男性的彫像....
「長崎の印象」より 著者:宮本百合子
番頭が、ホールの隣の戸を開けた。 南欧風に、中庭を囲んでぐるりと奥ゆきある
柱廊づきの二階が建廻されている。やはり緑色ペンキ塗の大きい部屋の鎧戸は閉り、中庭....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
えます。白砂の上を人々が手を取り合って行きかいしております。祭壇から火の立ち登る
柱廊下の上にそびえた黄金の円屋根に夕ぐれの光が反映って、島の空高く薔薇色と藍緑色....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
だ。矢車草を頭にいただいてるフィリスにも十万フランの年金をつけることだ。大理石の
柱廊の下に目の届く限り田舎景色《いなかげしき》をひろげることだ。田舎景色もいいし....
「パラティーノ」より 著者:野上豊一郎
ら石段を六七段下りなければならないように今はなっている。 下りて見ると、小さい
柱廊があり、その先は美しいモザイクの敷石で中庭になって居り、いかにも小じんまりし....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
ら、玉砂利の道をうねりあがって行くと、ひろびろとした園遊会向きの芝生のむこうに、
柱廊のある美しい正面《ファサード》が見えた。どの窓も明るくかがやいて白い大きな汽....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
て、身体じゅうに沁みわたるように思えた。本堂の扉があって、そこを三段ほど下りると
柱廊で、両側には聖者の画像が連なり、白壇と抹香の匂いがたち籠めている。もう一つ扉....