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柱時計
「柱時計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柱時計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
ある。保吉はいよいよ弔辞に対する忌《いま》いましさを感じ出した。
この時大きい
柱時計の静かに十二時半を報じたのは云わばニュウトンの足もとへ林檎《りんご》の落ち....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。」
洋一は立て膝を抱《だ》きながら、日暦《ひごよみ》の上に懸っている、大きな
柱時計へ眼を挙げた。
「もう一度電話でもかけさせましょうか?」
「さっきも叔母さ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
と云ったぎり、しばらくは思案《しあん》に沈んでいましたが、やがてちょいと次の間の
柱時計を覗《のぞ》きながら、「僕もそれが気になって仕方がないんだ。じゃあの婆の家....
「或る女」より 著者:有島武郎
ましばらくはなんとも言い出《い》でなかった。
母屋《おもや》のほうで十二を打つ
柱時計の声がかすかに聞こえて来た。寒さもしんしんと募っていたには相違なかった。し....
「星座」より 著者:有島武郎
ようにこっちを見ていた奥様は、
「父がよろしくと申されましたかね。あの(といって
柱時計を見かえりながら)お前もう御飯を召しあがりましたろうね」
と憎さげにまた....
「親子」より 著者:有島武郎
めながら遠くに離して時間を読もうとした。 突然事務所の方で弾条のゆるんだらしい
柱時計が十時を打った。彼も自分の時計を帯の間に探ったが十時半になっていた。 「十....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
その時、血みどろに染った二つの死骸が転っている実験室では、真夜中の十二時を報ずる
柱時計が、ボーン、ボーンと、無気味な音をたてて、鳴り始めたのだった。....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
無い、死んだように寂しい真夜中だった。 かねて手筈のとおり、工場の門衛番所に、
柱時計が十二の濁音を、ボーン、ボーンと鳴り終るころ、組下の若者が、十名あまり、集....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
ように元気になってくる鴨田理学士の身体を、片隅から睨みつけていた。やがて爬虫館の
柱時計がボーン、ボーンと、あたりの壁を揺すぶるように午後十時を打ちはじめた。人々....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
ていくのが分らなかった。 電話がかかってきたので、母親は立っていった。そのとき
柱時計が午前一時をうった。受話器をはずして返事をすると、電話をかけて来たのは三木....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
なわち、まず第一号を読んでみると、 一、八角形ノ文字盤ヲ有シ、其ノ下二振子函アル
柱時計ニシテ、文字盤の裏ニ赤キ「チョーク」ニテ3036ノ数字ヲ記シアルモノ。 ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
いしい鰻がいる。千二は、その鰻をとるために出かけたのだった。
出かけるときに、
柱時計は、もう十二時をまわっていた。
外は、まっくらだった。星一つ見えない闇夜....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
吹き込む風はかなり冷い。 二十一 早川の山小屋よりも寝心地が悪い。
柱時計の音は、十を数え十一を数え、十二を数えた。山中の夜は静かで、針を刻むセコン....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
」 と云いながらも彼のためにとっておいた配給のビールをぬくのだった。 安子は
柱時計を見て、 「あら、もう一時よ。明日日曜だからゆっくり寝ていらして頂戴な。そ....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
た。低い天井が顔に被ぶさるように感じる、電燈を消して眼だけは閉ぶっていた。帳場の
柱時計が十二時を打った、やがて一時を聞き、二時を聞いた、カーテンのない窓ガラスに....