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柳
「柳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
かめ》が一つ、威《い》かつくどっしりと据えてあった。そうしてその上には怪しげな楊
柳観音《ようりゅうかんのん》の軸が、煤《すす》けた錦襴《きんらん》の表装《ひょう....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
いえば豪傑《ごうけつ》だったじゃないか? それが君、芸者を知っているんだ。しかも
柳橋《やなぎばし》の小《こ》えんという、――」
「君はこの頃|河岸《かし》を変え....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ぜいたく》な暮しをしているといっても、同年輩の青年のように、新橋《しんばし》とか
柳橋《やなぎばし》とか云う遊里に足を踏み入れる気色《けしき》もなく、ただ、毎日こ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
こうりゃく》」の著者はもちろん、「山島民譚集《さんとうみんたんしゅう》」の著者|
柳田国男《やなぎだくにお》さんさえ知らずにいたらしい新事実ですから。)
「あの戦....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
人気《ひとけ》のない夜更《よふ》けの大根河岸《だいこんがし》には雪のつもった枯れ
柳が一株、黒ぐろと澱《よど》んだ掘割りの水へ枝を垂らしているばかりだった。
「日....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
ょうど去年の秋、やはり松江へ下った帰りに、舟が渭塘《いとう》のほとりまで来ると、
柳や槐《えんじゅ》に囲まれながら、酒旗《しゅき》を出した家が一軒見える。朱塗りの....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
。しかしそのほかにも画面の景色は、――雪の積った城楼《じょうろう》の屋根だの、枯
柳《かれやなぎ》に繋《つな》いだ兎馬《うさぎうま》だの、辮髪《べんぱつ》を垂れた....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
た。殊に狭苦しい埠頭《ふとう》のあたりは新しい赤煉瓦《あかれんが》の西洋家屋や葉
柳《はやなぎ》なども見えるだけに殆《ほとん》ど飯田河岸《いいだがし》と変らなかっ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
とはない。それが今不意に目の前へ、日の光りを透《す》かした雲のような、あるいは猫
柳《ねこやなぎ》の花のような銀鼠《ぎんねずみ》の姿を現したのである。彼は勿論「お....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
みがたい哀愁をよび起すこれらの川のながめは、いかに自分の幼い心を、その岸に立つ楊
柳《ようりゅう》の葉のごとく、おののかせたことであろう。
この三年間、自分は山....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
する?」
歩道の端《はし》を歩いていた兄は、彼の言葉に答える前に、手を伸ばして
柳の葉をむしった。
「僕はお母さんが死んでも悲しくない。」
「嘘つき。」
洋一....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
解に安んずることの出来ぬある新事実に遭遇《そうぐう》した。それは北京《ペキン》の
柳や槐《えんじゅ》も黄ばんだ葉を落としはじめる十月のある薄暮《はくぼ》である。常....
「犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
。こう云う柔かい美しさは一寸他の作家達には発見出来ない。僕はそこに若々しい一本の
柳に似た感じを受けている。 いつか僕は仕事をしかけた犬養君に会った事があった。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
りながら草地のなかを通って、近くの小川に注いでいた。その小川は、はんの木や小さな
柳のあいだをさらさらと流れている。母屋のすぐそばに大きな納屋があり、教会にしても....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
月二十日―― また一人|殺った。昼食を済まして、川端を歩いていると、釣師が一人
柳の木の下に眠っていた。正午だった。鋤が一丁、傍の馬鈴薯畑の中に、まるで故意に置....