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柳眉
「柳眉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
柳眉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、ひと目にそれとわかる裕福そうな町家のご新造連れ二組みでした。しかも、両人ともに
柳眉《りゅうび》をさかだてんばかりにしながらかん高い声をあげると、異口同音にわめ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
姓も計りがたい女と、かような目にあまる所業は今が初めてなのです。 菊路の美しい
柳眉は知らぬまに逆立ちしました。 「何ごとでござります! お兄上!」 「………」....
「野狐」より 著者:田中英光
のよ」 「勿論、誰も好きなひとなんかできるはずがないじゃないの」 「浮気」彼女は
柳眉を逆立てていう。「笑談じゃないわ。あんなところに、お勤めしていても、あたしだ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
は、たちまち険悪の形相をおびて来た。ちょうど昔しの愚かな大名の美しい思いものが、
柳眉を逆立て、わがままを言い募る時の険しい美しさで。庸三はこれには手向かうことが....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、泰軒先生の家は、このトンガリ長屋の人事相談所。 三 付木屋の花嫁は、たちまち
柳眉をさかだてて、 「あら、こんなことだろうと思ったよ。年寄りは年寄り同士、泰軒....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
おきっさき》というような業物《わざもの》を閃《ひらめ》かす気づかいはありません。
柳眉《りゅうび》をキリキリと釣り上げて、『騒々しいねえ』と嬌瞋《きょうしん》をい....
「字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
よく拵えて下すったあの甘しいプディング――あれはこうじゃなかった。」 いよいよ
柳眉を逆立てた夫人は夫の留守にそっと彼の生家へ立ち寄って、母なる人に懇請し、かれ....
「紫大納言」より 著者:坂口安吾
り、片手で天女の頬っぺたを弾きそうな様子であった。 天女は飛びのき、凜として、
柳眉を逆立てて、直立した。 「あとで悔いても及びませぬ。姫君のお仕置が怖しいとは....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
というわけだね」 「御冗談仰言っては困ります。そんなことを申上げては、あの御方は
柳眉を逆立てゝ退社あそばすです」 「然し、君、社長と美人社員なら、先ず、そんなと....
「眉の記」より 著者:上村松園
眉目秀麗にしてとか、眉ひいでたる若うどとか、怒りの
柳眉を逆だててとか、三日月のような愁いの眉をひそめてとか、ほっと愁眉をひらいてと....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
射す迄はかつて眼を覚ましたことはない」 「まアお殿様、何を有仰ります」 お菊は
柳眉をキリリと上げた。 「何か妾がお殿様へ、毒なものでも差し上げるような、その惨....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
罪面でその残忍酷薄さは一見しただけで想像される。 「無礼者!」と乃信姫はキリリと
柳眉を上げたものである。 与力軍十郎逆捻を喰わす 乃信姫の声に侍ども、バラバラ....
「魔像」より 著者:林不忘
したのが、造酒の妻とも妾ともつかない芸妓上《げいしゃあが》りの市松お六で、思わず
柳眉《りゅうび》を逆立《さかだ》てているところへ、鏡丹波が三羽烏の助剣を求めて帰....
「魔都」より 著者:久生十蘭
方へ歩いて行く。見上ぐれば、大内山の翠松の上には歯切れの悪い晦日《みそか》の月。
柳眉悲泣といったぐあいに引っ掛っている。
件《くだん》の人物は富国生命の建築場....
「マリ・デル」より 著者:神西清
った、「いつになったら平和な気持になれるんだろう? 胸が悪くなるわ!」 彼女の
柳眉はみるみる逆立った。 「待ってるがいい……今こそこの茶番のやり方を教えこんだ....