柴刈[語句情報] » 柴刈

「柴刈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

柴刈の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
川の末にはお婆《ばあ》さんが一人、日本中《にほんじゅう》の子供の知っている通り、柴刈《しばか》りに行ったお爺《じい》さんの着物か何かを洗っていたのである。…… ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、先代金兵衛の晩年に持病の痰で寝たり起きたりしたその同じ二階の部屋である。山家は柴刈りだ田植えだと聞く新緑のころで、たださえ季節に敏感な伊之助にはしきりに友恋し....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
涙がきていた。 「わたくしに、姉がひとりございました。ひとつ上で、当時二十一――柴刈り姿が出羽守のお眼にとまって、猟りの人数が下山のとき、お側に召されて引っさら....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
して、そうしてその小男は声を放って泣いて、泣きながら家へ帰り、翌る朝は未明に起き柴刈り縄ない草鞋を作り両親の手助けをして、あっぱれ孝子の誉れを得て、時頼公に召出....
花物語」より 著者:寺田寅彦
た。人のけはいがするのでふと見ると、今までちっとも気がつかなかったが、茂みの陰に柴刈りの女が一人休んでいた。背負うた柴を崖にもたせて脚絆の足を投げ出したままじっ....
雁坂越」より 著者:幸田露伴
いろいろの交り銭の一円少し余を入れたのを確と納め、両の手は全空にしておいて、さて柴刈鎌の柄の小長い奴を右手に持ったり左手に持ったりしながら、だんだんと川上へ登り....
夜の靴」より 著者:横光利一
煙を吸い上げ、塗戸の杉の目が炉の焔の色を映して明るい。 私は妻と二人で裏の山へ柴刈りに出かけた。二人の目的は十二三分で登れる鞍乗りの峠まで行くことだが、この峠....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
へも来る。源兵衛の家へも来る。小屋へ来れば材木の運搬を手伝い、家に来れば水汲みや柴刈りや掃除の手伝いをするというふうで、彼は実によく働くのであった。ここらは雪が....
多神教」より 著者:泉鏡花
御罰、神罰じゃ。御神の御心は、仕え奉る神ぬしがよく存じておる。――既に、草刈り、柴刈りの女なら知らぬこと、髪、化粧し、色香、容づくった町の女が、御堂、拝殿とも言....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
うかぼそい叫び声がきこえる。はて何処だべと思いながら夜を明かした。朝になって山へ柴刈に行ったが、まだゆうべの助けてけろ助けてけろという声がするから、だんだん尋ね....