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「柿右衛門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

柿右衛門の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
行人」より 著者:夏目漱石
二階から下りた時、父は玉《ぎょく》だの高麗焼《こうらいやき》だのの講釈をした。柿右衛門《かきえもん》と云う名前も聞かされた。一番下らないのはのんこうの茶碗であ....
もの思う葦」より 著者:太宰治
で、私は格別、痛嘆しない。けれども、俳優、羽左衛門の壮健は祈らずに居れないのだ。柿右衛門の作ひとつにでも傷をつけないように。きょう以後「人工の美」という言葉をこ....
碧眼托鉢」より 著者:太宰治
。舌そよぐの観がある。そこに全精力をそそいでいるかの如く見える。恥かしくないか。柿右衛門が、竈のまえにしゃがんで、垣根のそとの道をとおるお百姓と朝の挨拶を交して....
道標」より 著者:宮本百合子
家である泰造はルネッサンス前後の家具と陶器に着目した。この日の巡遊記念に、日本の柿右衛門をロココ風に模倣したセーブルの小さな白粉入れを伸子は泰造からもらった。 ....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
明な姿をして拡がっていた。 燃えるような柿の色に暗示されて、赤絵を焼いたという柿右衛門の陶器には、器の一方に片寄せて花鳥をえがき、それに対する他の一方は素地の....
写真に添えて」より 著者:宮本百合子
して、私にいろんな家具のスタイルだとかを話してくれたことがありました。ある店で、柿右衛門を模倣した小さい白粉壺が見つかり、父が、しきりに外国で日本の作品が模倣さ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、座敷の床の間の青磁の花瓶と、飾り物の大きな皿が、二ツながら割れている。皿の方は柿右衛門の作とか、青磁は支那の逸品とかで、母里大学という人は陶磁器に趣味がありそ....
日記」より 著者:宮本百合子
れた苔と、光る木の葉と、ザワめく風とが、よく調和されて美くしい感じを与えた。初代柿右衛門の香炉は私でもいいのが分る。今の一部の人の求めて居る、ある大きなものがふ....
日記」より 著者:宮本百合子
分らないが、同じ見るなら、舞台の上の人間と一緒に泣き笑いしたい、出来た方が快い。柿右衛門は、彼の人格――勿論私にだってよくは分ろう筈もないが――を極くコンベンシ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
もうこの世にはいない。それでも榎本君は晩年歌舞伎座の立作者となって、かの「名工|柿右衛門」や、「経島娘生贄」などを書いている。一方のペエペエはまだ無事に生き残っ....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
上絵」とか呼びます。よく寿司屋が用いる「錦手」の皿や鉢は皆赤絵であります。有名な柿右衛門はこの上絵を試みた古い人でありました。 さて右のような二種類の磁器で九....
増長天王」より 著者:吉川英治
て寒巌枯骨のていたらくだ、陶土に脂も艶気もなくなってくる。そんな野郎は茶人相手の柿右衛門の所へ行ッちまえ。おれの山から作りだす色鍋島は、煩悩もあり血も通っている....
九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
ご》の下《もと》で研究を続けて、一つのかまを完成したのである。 九州の話だが、柿右衛門《かきえもん》という人などは、熟柿《じゅくし》が枝に下っているのを見て、....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
リ二つに割れて七福神が二人と五人に仲をさかれながら、やっぱりにこにこしていたり、柿右衛門の熟柿が焼けて干し柿になっていたり、はぎ焼きのうす茶わんのうわぐすりが荒....