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栄
「栄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
《ただ》行人だった。彼は彼等を知る為には、――彼等の愛を、彼等の憎悪を、彼等の虚
栄心を知る為には本を読むより外はなかった。本を、――殊に世紀末の欧羅巴《ヨーロッ....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
伝吉物語」は下《しも》のように話を結んでいる。――
「伝吉はその後《のち》家富み
栄え、楽しい晩年を送りました。積善《せきぜん》の家に余慶《よけい》ありとは誠にこ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
がた》を落花の風に飜《ひるがえ》して、
「たとい今生《こんじょう》では、いかなる
栄華《えいが》を極めようとも、天上皇帝の御教《みおしえ》に悖《もと》るものは、一....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
にはそれが、どうしてもある空虚な感じしか起させない。「この女は自分の夫に対して虚
栄心を持っている。」――己はこう考えた。「あるいはこれも、己の憐憫《れんびん》を....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
ことを得ず。」(日本書紀《にほんしょき》)
いかなる国の歴史もその国民には必ず
栄光ある歴史である。何も金将軍の伝説ばかり一粲《いっさん》に価する次第ではない。
(大正十三年一月)....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
らではない。実は、煙管の形をしている、百万石が自慢なのである。だから、彼のこの虚
栄心は、金無垢の煙管を愛用する事によって、満足させられると同じように、その煙管を....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
そほうか》にあったのです。勿論|骨董《こっとう》としてあったのではなく、一家の繁
栄を祈るべき宗門神《しゅうもんじん》としてあったのですが。
その稲見の当主と云....
「葱」より 著者:芥川竜之介
まま、しばらくは身動きもしそうはないから、その間におれは大急ぎで、ちょいとこの光
栄ある恋愛の相手を紹介しよう。
お君さんの相手は田中《たなか》君と云って、無名....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
のように偉い人でも、いつか一度は死んでしまう。して見れば人間と云うものは、いくら
栄耀
栄華《えようえいが》をしても、果《はか》ないものだと思ったのです。」
「では....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、まだ女たちの笑い声が聞えた。が、間もなくそれも消えて、後《あと》にはただ草木の
栄《さかえ》を孕《はら》んだ、明るい沈黙があるばかりになった。……
何分《なん....
「少年」より 著者:芥川竜之介
同時にまた勇ましい空想も石鹸玉《しゃぼんだま》のように消えてしまった。もう彼は光
栄に満ちた一瞬間前の地雷火ではない。顔は一面に鼻血にまみれ、ズボンの膝は大穴のあ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
小児
軍人は小児に近いものである。英雄らしい身振を喜んだり、所謂光
栄を好んだりするのは今更此処に云う必要はない。機械的訓練を貴んだり、動物的勇気を....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
い僕にこう云う珍らしいものを勧め、養家から僕を取り戻そうとした。僕は一夜大森の魚
栄でアイスクリイムを勧められながら、露骨に実家へ逃げて来いと口説かれたことを覚え....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ものの、一円をすっかり使うことに逡巡してはいないであろうか? 四二 虚
栄心 ある冬に近い日の暮れ、僕は元町通りを歩きながら、突然往来の人々が全然僕を....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ぬきの歌い手たちを引きつれて、教会の聖歌隊の場所の正面に席をしめることは、彼の虚
栄心をなみなみならず満足させたものである。そこに立つと、彼は牧師から完全に勝利を....