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栄冠
「栄冠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栄冠の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
全力を尽くして彼女を理解してやらなければいけないと思う。どうか兄らの生活が最後の
栄冠に至らん事を神に祈る」
こんな文句が断片的に葉子の心にしみて行った。葉子....
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
に見る。皆、誇りと満足に輝いている。 家庭の幸福。家庭の平和。 人生の最高の
栄冠。 皮肉でも何でも無く、まさしく、うるわしい風景ではあるが、ちょっと待て。....
「盲人独笑」より 著者:太宰治
ろ無きを知り、かえって喜び、貴下は一日はやく註文したるものなれば、とて琴の発明の
栄冠を、手軽く中山氏に譲ってやった。現在世に行われている「八雲琴」は、これである....
「散華」より 著者:太宰治
理解できぬくらいに貴い品性を有っていた人ではなかったろうかと思った。人間の最高の
栄冠は、美しい臨終以外のものではないと思った。小説の上手下手など、まるで問題にも....
「階段」より 著者:海野十三
と思う。たしかに、それまでの僕という人間は修身教科書の結晶のような男で、そうした
栄冠を担う資格は充分あるものと他人からも謂われ、自分としても、強い自信をもってい....
「斜陽」より 著者:太宰治
きたいひとは、どんな事をしても、必ず強く生き抜くべきであり、それは見事で、人間の
栄冠とでもいうものも、きっとその辺にあるのでしょうが、しかし、死ぬことだって、罪....
「時事雑感」より 著者:寺田寅彦
て帝都の檜舞台の立て役者になったようなものである。そうして物理学者としての最高の
栄冠が自然にこの東洋学者の頭上を飾ることになってしまった。思うにこの人もやはり少....
「蒸発皿」より 著者:寺田寅彦
えば戦時における祖国愛と敵愾心とによって善導されればそれによって国難を救い戦勝の
栄冠を獲得せしめることにもなるであろう。 しかしまた、同じような考え方からすれ....
「記録狂時代」より 著者:寺田寅彦
想像される。 シガー一本をできるだけゆっくり時間をかけて吸うという競技で優勝の
栄冠を獲たのはドイツ人何某であった。すなわち、五時間と十七分というレコードを得た....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
男の恋の鞘当て”曰く“奇賊烏啼も登場の今様四角恋愛合戦”また曰く“無心臓男の恋の
栄冠”と。 このように敏感なる報道陣も、賊烏啼と恋の選手月尾寒三とが同一人物た....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
秋を打っ通して、ネルロはこの大作の完成に余念がありませんでした。もしこれがうまく
栄冠を担えれば彼にとっては、年来の宿望に向って第一歩をふみ出すことになるのです。....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
い」と云った。 一八六五年の正月に彼は遂に Senior Wrangler の
栄冠を獲た。その表彰式に彼の母も参列したが、人々は「我 Senior Wrang....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
が一生待ち望んでいた仏陀の霊山に帰還した。そこでは並びなき法華経の護持者としての
栄冠が彼を待っていることを門弟、檀那、帰依の大衆は信じて疑わず、声をうち揃えて、....
「近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
作家を以て世に名を成すのが目的ではありませんから、現代作家を凌駕し排撃して、その
栄冠を自己一人にかち得ようとするようなケチな了見を有っているものではありません。....