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「栄職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

栄職の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ごついているのが歯痒ゆい。俺ならあんな事をするものか。乃公一度び出れば手に唾して栄職につく事が出来ると考える。そして何分にも長い学生生活に倦きているから、社会に....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ースールのカリフは、氏をバグダッドに召して、その説を傾聴し、これに擬するに判官の栄職をもってした。しかも石にあらざる氏の素志は、決して転《ころ》ばすことは出来な....
惜別」より 著者:太宰治
注進申し上げ、そうして、藤野先生は愕然として矢島を呼び、彼を大いに叱咤して幹事の栄職を剥奪する、というようなうまい段取りになりはせぬかと夢想して、こうして騒いで....
社会時評」より 著者:戸坂潤
ない。少くともこの点は論議の余地のない程明らかと思われる。もし美濃部博士が一切の栄職を辞さねばならぬ大義名分があるとすれば、同様に之を勅選に奏請した臣下は一切の....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
宝石が、のこらず、鳥のまわりにならべ立てられました。鳥は、「帝室御夜詰歌手長」の栄職をたまわり、左側第一位の高位にものぼりました。たいせつなしんぞうが、このがわ....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
する事の愚《おろ》かしさよと、思いも寄らぬ勧告の腹立たしく、さては君も今代議士の栄職を荷《にな》いたれば、最初の志望は棄てて、かつて政敵たりし政府の権門家《けん....
芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
て贏《か》ち得た一切の栄誉は、すべてみな空《むな》しくされたものとなった。老後の栄職である枢密院の副議長の席も去らなければならなかった。彼の人は門戸を深く閉じて....
魔都」より 著者:久生十蘭
動を起すべきでありましょうが、次に申し述べるような理由によって、この上一刻と雖も栄職を涜すべきでないと信じますにより、只今限り自らを捜査課長の椅子より放逐し、自....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
私宅へ参って稽古を致し、今日では知名の人となっている。内藤伸氏は帝国美術院会員の栄職を負う。加藤景雲氏は島根県|能義郡荒島村の出身で大工の家に生まれ、父の大工を....
四十年前」より 著者:内田魯庵
噂の筆を絶たなかったが、いくばくもなく風説の女主人公たる貴夫人の夫君が一足飛びの栄職に就いたのが復たもや疑問の種子となって、喧々囂々の批評が更に新らしく繰返され....
三国志」より 著者:吉川英治
存じますが。――自分はかつて、黄巾賊の乱にもいささか功をたて、一時は鎮威中郎将の栄職にありましたが、その後、思うところあって、故郷|汝南に帰っていました。――李....
三国志」より 著者:吉川英治
きよせて、よき大将にしたいというなら、この曹操から、天子へ奏聞いたして、かならず栄職を授け、またこの都の内に、宏壮な庭園や美しい邸宅に、多くの召使いをつけて住ま....
三国志」より 著者:吉川英治
がするのですが」 「ふむ。……そうかの」 「――と、なれば、きっと、尊台にも、ご栄職につかれ、いよいよ官位もお進みになりましょう。その折には、ぜひわれら両名にも....
私本太平記」より 著者:吉川英治
う野にも都にもなかったし、宮廷自体が、そういう大切なものを、荒らし果たしていた。栄職争い、後宮争い、両統の帝位争奪など、百年、限りもないほどな紊れである。 ひ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
いう神子の乙女のこと)だの徳大寺実定の口ウラにさえ、ころりとだまされて、わが子の栄職を譲らせてまで、実定に左大将の地位を与えている清盛である。彼には、どこか人の....