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栄達
「栄達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栄達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
覚醒せねばならぬ時代であろう。区々たる藩閥の巣窟に閉籠《とじこも》り、自家の功名
栄達にのみ汲々《きゅうきゅう》たる桂内閣ごときでは、到底、永遠に日本の活力を増進....
「鮨」より 著者:岡本かの子
。息子自身は頭が好くて、何処へ行っても相当に用いられたが、何故か、一家の職にも、
栄達にも気が進まなかった。二度目の妻が死んで、五十近くなった時、一寸した投機でか....
「階段」より 著者:海野十三
娶ってもらいたいということになり、凡ては小学校の修身教科書に出ているとおりの立身
栄達の道を、写真にうつしたように正確にすすんで行ったことだろうと思う。たしかに、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
こころざしの高い人物として、湘楚のあいだに知られて居りましたが、山林に隠れて富貴
栄達を望みませんでした。しかし沛国の劉という人とは親しい友達でありまして、その関....
「易と手相」より 著者:菊池寛
川だけは見て貰わなかった。私の手相の判断は、実によかった。私が三十を越してから、
栄達し、一群の人の上に立つことを云い、金銭に不自由しないことを云い、その他身上に....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
したのであるなどと云われる事があったのは惜むべき事であった。 庄司署長が一身の
栄達を計る為に支倉を犠牲者としたと云う非難について一言したい。 凡そ警察署長た....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
の客の中には改心をした猿若が、可愛らしいお小姓の姿をして、嬉しそうに雑っていた。
栄達を嫌い隠遁をし、吉利支丹宗徒となった弁才坊も、この日は特に美々しく着飾って、....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
っています。都は虚偽にみちみちています。真の道徳は地を払ってしまった。……自己の
栄達のためには、どんな不道徳なことでもしかねません。他人の幸福のことなど、微塵も....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
て前九年の役ごろの奥州人間に信ぜられしごとく、また俘囚の類ならんには、さらにその
栄達せる実例として数うべきものなりとす。 かく夷俘・俘囚らは、武官もしくは兵士....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の毎月の学費も最後の一、二年は蓄財を割いて支弁しつつ万事の希望を二葉亭の卒業後の
栄達に期していたのである。であるから二葉亭は卒業するとしないとに論なく、学校を罷....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
ぜられたが、その当時は官位はもとの地位までも復するには至らなかった。清麻呂の後の
栄達は、彼が長生して摂津職大夫となり、中宮大夫となって以来の事である。けだし道鏡....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
で、エセックスと決闘騒ぎを演じたこともある。それが、すっかり成長して、年とともに
栄達した。兄の死によって、彼も華族の仲間入りしたのである。エセックスのあらゆる外....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
なく育った子供等は、自分の欲望を満足するには、もっと美しい金殿玉楼に住んだとか、
栄達をしたとかいう話をきいて、夢想することによって喜びを感ずるにちがいない。それ....
「希望」より 著者:小川未明
」 彼は、ロマンチックな恋を想像しました。また、あるときは、思わぬ知遇を得て、
栄達する自分の姿を目に描きました。そして、毎日このがけの上の、黄昏の一時は、青年....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
主のある者は、かくの如くにして生じたものであろうと解せられる。そしてそのある者は
栄達して、金碧燦然たる殿堂内に金襴の袈裟を纏うてすましこみ、ある者は堕落して、非....