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栓
「栓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
「いえ、こちらへ上がったのは水道の鉄管を抜けてきたのです。それからちょっと消火
栓《しょうかせん》をあけて……」
「消火
栓をあけて?」
「旦那《だんな》はお忘れ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ん中には、壺《つぼ》を埋《い》けたような穴が三つあって、そのまた穴の上には、水道
栓が蛇口《じゃぐち》を三つ揃えていた。しかもその穴の一つには、坊主頭《ぼうずあた....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
となど、あとで分かった。「女中さんかい、その水を流すのは。」閉めたばかりの水道の
栓を、女中が立ちながら一つずつ開けるのを視て、たまらず詰るように言ったが、ついで....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
仕切の中で衣類を脱ぎ、その奥に入ると、白いタイルで張りつめた洗い場になっていて、
栓をひねると天井からシャーッと温湯が滝のように降ってくるのであった。婦人たちのた....
「火星探険」より 著者:海野十三
いでください」 山木は、はずかしそうにいった。河合が紙を巻いて、山木の鼻の穴に
栓《せん》をかってやった。そして顔の血をすっかり拭ってやったので、山木の顔は元気....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
だが、それでもその効果は大したもので、滑ってころんだり卓上のものが動きだしたり、
栓をするのを忘れたインキ壺からとびだした雲状のインキが出会い頭に顔をインキだらけ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
になっている。そのタンクには、別に圧搾空気を使うポンプがとりつけてあるから、管の
栓をひねると、その原液は水のように、いくらでも出て来るのだ」
博士は事もなげに....
「怪塔王」より 著者:海野十三
んと冷して、固めて石膏のようにし、缶づめにしてあります。使うときは、その缶づめの
栓をひらくと、その穴からQQガスがガス状になってはげしくしゅうしゅうとふきだすの....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
ール杯が並ぶまでの僅かな時間さえ、数時間経ったように永く感ぜられた。ブランデーの
栓を抜こうとする小娘の手を払いのけて、彼は自らグラスに注いだ。ドロドロと盛りあが....
「空襲警報」より 著者:海野十三
にゆくんだ」 旗男も、防毒面を被りなおした。 学生たちは、鼻の穴に思い思いの
栓をした。或者は、消しゴムを切ったものをつめたり、また或者は万年筆のキャップをつ....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、炭団を干した薪屋の露地で、下駄の歯入れがコツコツと行るのを見ながら、二三人共同
栓に集った、かみさん一人、これを聞いて、 「何だい、その言種は、活動写真のかい、....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
どこじゃ。どういう人が居さっしゃる。」 「実家の事かねえ、ははん。」 スポンと
栓を抜く、件の咳を一つすると、これと同時に、鼻が尖り、眉が引釣り、額の皺が縊れる....
「薬」より 著者:井上紅梅
一 亮るい月は日の出前に落ちて、寝静まった街の上に藍甕のような空が残った。 華老
栓はひょっくり起き上ってマッチを擦り、油じんだ燈盞に火を移した。青白い光は茶館の....
「橋の上」より 著者:犬田卯
これ詰めておかなけゃ駄目だど。」 女の子は再び塵紙を丸めて、自分から圭太の鼻へ
栓をしてくれた。 柔かい手が彼の肩にかかり、頬のあたりへかすかにそれが触れるの....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
聘されて文学を講述したのもこの時代であった。ツイ先頃|欧羅巴から帰朝する早々|脳
栓塞で急死した著名の英語学者|長谷川喜多子女史や女子学院の学監|三谷民子女史はタ....